東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方絶天火 9

「壊す?そんなに軽く言えるもんかそれ」
魔理沙が空に浮かぶリルアに向かって問う。だが、言った本人も自分の口から放たれた言葉に困惑しているようだ。
「おかしいな、私はこんなに綺麗な土地を焼き払おうとは思って無いのに・・・・・口が勝手に動くわけが」
その光景を静かに見ている霊夢は、リルアの体を再三見直しつつ、札を何時でも使えるように準備している。魔理沙が隣の霊夢の臨戦行動に気付き、
「どうした霊夢?あまりにも物騒な顔をしているが」
と聞いてみた。霊夢はすぐには振り向かず、臨戦体制を整え終えてから魔理沙の方を向いた。
「あの鬼の体から、本人の物じゃ無い何か・・・・・禍々しい気配を感じるわ。それも、相当大きい」
「まじかよ。私は何も感じないが」
そう言ってリルアに向き直る霊夢。それにつられて魔理沙もリルアの方を向いた。リルアはまだ自分の体に疑問をぶつけている。
「そもそも体の中に感じるこの邪気は何?おかしい、確かにこの気配は私の物じゃない。もっと根本から違う禍々しい物、しかも何度も感じたことのある・・・、たしか、これはキングアトラスから・・・・・・・あ・・・・れ・・・・・・・・・」
その言葉を最後にリルアは急に黙ってしまった。まるでシャットダウンした機械の様に、頭だけを垂れ下げて意識を失ったようだ。
「意識が無くなったみたいだが、何だ?上から吊らされているみたいに浮かんでるぞ」
魔理沙がそう感想を言うが、霊夢魔理沙を手を出して黙らせる。
「どうした?」
「来るわ。禍々しい何かが」
霊夢が言い切った瞬間に、リルアの顔が起き上がった。とくに変わった様子は無いが、有るとすれば・・・先ほどのリルアの困惑した表情とはまるっきり違う、残忍な思いを顔に秘めた、恐ろしい笑顔。
明らかに、リルアと全く違う意識である。
「失礼。先程我の意識が表層に出てきたな、お陰で多少困惑しただろう」
口調や威厳がリルアと全く違う事は、瞬時に理解ができた。
「困惑なんてしてないわ。あんたの殺気がリルアの体からだだもれだったから。で、あんたは誰?」
霊夢の問いを聞いたリルアではない誰かは、小さな溜め息をついて空を見上げ、口を開く。
「我は全ての生命を喰らう者。一度は戦に負け、力を抑えられ他人を強化する神格にまで成り下がったが、今は良い憑代に恵まれている。この力で今一度戦を起こし、かつての栄光を取り戻す」
何かを掴むように空に掲げた掌を握る自称【全ての生命を喰らう者】。
「全ての生命を喰らう者、ってのが名前なのか?幻想郷でも類いのない随分と可笑しな名前だな」
魔理沙の指摘に、【全ての生命を喰らう者】は魔理沙に顔を向ける。
「そこの魔女。お前は『ゾロアスター教』を知っているか?」
ゾロアスター教?それなら少しだけ知ってるぜ。外の世界の宗教で、善悪がなんたらっていう奴だろう?」
「そうだ。ゾロアスター教には二種の神霊がいる。片方は善性を謳う者。もう片方は、」
「絶対悪を謳う者。そいつはその中でも悪の根源とされる悪竜、【アジ・ダハーカ】・・・・・でしょ?」
霊夢がアジ・ダハーカの台詞を見図ったかの様に言った。
「何だ霊夢、お前もゾロアスター教を知ってたのか」
「多少はね。多分偶然だと思うけど」
「偶然か。我は偶然ではないと思うぞ。全ての出来事には必ず何かの関連性が有るものだ」
そう言い切ってリルアの体を乗っ取ったアジ・ダハーカは、リルアの力を強制的に解放して大空を覆う程の陣を構築した。
「我はこの幻想郷を破壊し、畏怖によって力を取り戻すつもりだ。貴様らに正義を謳う思いが有るのなら、我をその手で今一度封印してみろ」
ここで魔理沙も臨戦体勢に入る。箒に跨がり、霊夢も札とお祓い棒を構える。
「準備できたな?逝くぞ、『悪災・阿鼻叫喚の宴』!」
弾幕と共に恐怖の叫びが放たれる。恐怖の叫びは二人の耳に不協和音を届かせ、決して良くない気分にさせる。

幻想郷の北東。何もない辺境の大空で、幻想郷の運命を決める決戦が始まった。





定期テスト週間に突入しましたよ。それが原因で続きが遅れちゃうかもしれませんので愛読者様方ご了承下さい。いるのか、愛読者。
毎度の事ですが、ご意見・ご感想が有りましたら一つでもコメントください。コメントは誰でも出来るようになってますし、若輩の自分が書く東方二次小説は古参方にどう思われているのかも知りたいですし。
めんどくさいその通りですはい。
ではでは。