東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方絶天火 10

「何これ・・・・・尋常じゃ無いわ!何処からこんなに霊力が湧いてくるの!?」
飛来する数多の弾丸を一重で避けきる霊夢。だが、アジ・ダハーカの放つ弾幕は、無慈悲と残虐を混ぜた気配と、非常に高い密度で構成されている。耳に響く不協和音は、二人に悪い影響を与え、より一層攻略困難の弾幕に変貌させていた。
「気分悪いぜ。こんなにやりにくいのは初めてかもしれん」
魔理沙もたまらず弱音を漏らす。
悪竜、アジ・ダカーハはゾロアスター教で【悪の根源】とされ畏怖された神霊である。伝承によれば、一度に千の魔術を操る事ができるという。更に、強力な不死性を持ち、傷口から溢れる血が魔獣と化して数多の英雄を苦しめたという。
「伝承通りの能力が有るとすれば、『千の魔術を操る程度の能力』か『傷口から妖怪が溢れる程度の能力』?程度なんて次元じゃないわ、ここまで悪質な能力が有っては・・・・・・くっ!!」
鼻先三寸の間合いで弾丸を避けた霊夢。だが、殺意の籠った弾丸は次々と放たれている。
完全に無駄な弾がない、弾幕ごっこを無視した戦闘。
「我を封印するか殺す以外に、この幻想郷を守ることは出来んだろう。だが、お前たちだけでこの大業を成す事が出来るか?お前たちはアーサー王や、ジャンヌ・ダルク、スラエータオナのような英雄では有るまい。その様な者に、我を滅ぼせるのか」
激しい弾幕を放ちながら、アジ・ダカーハは問う。当然のように、二人は口を紡いだ。
「答えは、ノーだ。国を救えん程度の輩に、我が倒れるとは思わんから・・・・・なぁ?」
嫌味。アジ・ダカーハは、霊夢魔理沙に負けることは断じて無い、悟っていた。
「言ってくれるじゃねえか・・・・・!『ファイナルスパーク』!!」
魔理沙が、光の滝と錯覚させる巨大な魔砲を放った。ファイナルスパークと表された魔砲はアジ・ダカーハの弾幕を消滅させながらアジ・ダカーハ本人を狙う。ファイナルスパークは踏み間違えても光と同じ速さである。そのような速さを、体さばきだけで回避できる者は、それこそ光より早い者しかいない。
アジ・ダカーハは、自分の身を滅ぼさんと迫る魔砲を見るなり、
「全くもって、無駄だ」
直に受けた。
「お・・・・・、直撃した・・・・・・・って、」
一歩も後退せず、何事も無かったかのように直立するアジ・ダカーハ。
「もはや反則だろ・・・・・」
「無駄だ、と言っただろう?人類を背負う英雄でもないのに、我を倒す事は出来んのだ」
アジ・ダカーハは右手を掲げる。すると、ファイナルスパークで壊された陣が再構築された。
「中々良い前夜祭だった」
アジ・ダカーハの右手から放たれた、濃い紫色の魔砲。二人が気づいた時には、既に目の前まで迫っていた。
「これが・・・・・死か」
「そんなことは無い。二人に、まだ死は訪れんだろう」
魔砲が、切り裂かれた。四散した魔砲の欠片は、遥か後方で霧散していく。
霊夢魔理沙の目の前に、虎の尾を持つ、着物姿の妖獣が一人。少女が持つものとは思えない、巨大な刀を両手に持っている。
「何とか間に合ったな・・・、レミリアの言った通りにして良かった」
「だ・・・・・誰?」
どうやらレミリアのことを知っているらしい。
「リーヤ、と言う。今はこれだけで良いだろ?目の前にあんなのが居たら、冷静に自己紹介しようとは思えない」
と言ってリーヤはアジ・ダカーハを指差す。
「ところで、見た感じはリルアなんだが、何が起きたんだ?気配は完全にかの悪竜そのものだが」
「まぁ、どうやら体を乗っ取ったらしくてな」
リーヤの問いに、魔理沙が答える。リーヤは納得したように頷いた。
「ふむふむ。・・・・・では、アジ・ダカーハ」
今度は、リーヤがアジ・ダカーハに問う。
「何だ?」
「何故神格に成り下がったお前が、此処に存在する?神格に成り下がった今、リルアを乗っとるなんて不可能のはず」
「不可能ではない。こうして現に、我が存在している。我をどうするつもりだ?」
「語るまでも無い、滅ぼすに決まっている」
「ほう?まさか、今我を穿たんと神の槍を構える、吸血鬼だけで我を討ち取ろうと考えているのか?」
アジ・ダカーハの語尾で、南西から放たれる神槍『グングニル』。アジ・ダカーハは片手で神槍を受け止めた。だが、その威力は衰えず、アジ・ダカーハの動きを止めた。
レミリアが居るの・・・!?」
「私の神槍を止めたとは中々ねッ!!」
南西から高速で間合いを詰めたレミリアが、アジ・ダカーハの懐に迫った。
「食らえ・・・っ!」
アジ・ダカーハの腹に回し蹴りを食らわせる。アジ・ダカーハはグングニルを止めていたため抵抗出来なかった。
が、
「吸血鬼か・・・・何故炎天下の中動き回れる?」
特に堪えた様子が無い。アジ・ダカーハは吸血鬼の体質的な問題に疑問が有ったが、神槍と共に考えを捨て、両手に怨嗟を込めた波動を集める。
「チッ・・・・・固いわね」
高速で間合いをとるレミリア。アジ・ダカーハは溜めた衝撃波をそのまま弾幕に変える。
「『恨め、怨め、常闇の誘い』」
再び、不協和音が鳴り響く。レミリアとリーヤは、反射的に耳を塞いだ。
「何この音・・・・・気分が・・・・・」
「吸血鬼といえど、この怨嗟は耐えれんだろう。当たれば楽になるぞ」
「いや・・・楽になるのはお前だ、アジ・ダカーハ・・・・!!」
リーヤは片方の刀を天高く投じた。刀は空高い所で花火の様に爆発した。
「・・・・・・・何をしたの、リーヤ?」
霊夢がすぐ目の前のリーヤに問う。リーヤは、アジ・ダカーハに言うように答えた。
「俺の能力で、幻想郷の強力な生命に否でも応でも此処に集まるようにした。アジ・ダカーハ、妖怪妖獣人間亡霊神霊を、なめるなよ・・・・・!!」






試験期間です。言うまでもなく、試験期間です。
とりあえず、終わりも近いですねー。
毎度の事ですが、ご意見・ご感想が有りましたら一つでもコメントください。コメントは誰でも出来るようになってますし、若輩の自分が書く東方二次小説は古参方にどう思われているのかも知りたいですし。
めんどくさいその通りですはい。
ではでは。