東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方人鬼襲 ~霧雨魔理沙の襲撃~ 2

神殿の南西側に到着した魔理沙。確かに、四角に飛び出たものが、大きな部屋だと連想させる。いつも通りの侵入方法(窓から侵入)にしようと思ったが、この辺りに窓が見当たらない。かといって正面から入っても直ぐにばれてしまう。

魔理沙は、どうせ見つかるんなら派手にしよう、と嫌な予感をさせる笑みを浮かべながら帽子をとって、六角形の小さな箱を取り出した。

ーーー八卦炉。手頃な火から大火災まで操れる、魔理沙の宝物である魔法の道具。魔理沙はそれを掲げて、魔力を集中させる。八卦炉がその魔力に応え、回転し始めた。自然と風が舞い起こり、強くなっていく。

「いくぜ、マスタースパーク!!」

 

 

ほぼ同時刻、紅竜玉神殿中枢【封印の間】。この部屋は元々神を祀る祭壇だったが、アジ・ダカーハ封印の際に神殿の神力が集まりやすいここで実行したため、それ以降【封印の間】、と呼ばれるようになった。

今、この部屋でくつろぐ鬼と竜がいる。

世界最高信仰の鬼神、リルア・ヘルヴェル・アルヴィトと、

かつて幻想郷を荒らしまくった悪竜、アジ・ダカーハだ。

「・・・・・、何これ美味しい。貴女、お茶いれるの凄く上手かったの?」

テーブルに座って、お茶を飲み偽り無い感嘆の声をあげたのはリルアだ。群青色と紅蓮の色を中心とした神官服を着ている。神官服といっても、脇がでてない巫女服みたいな物で、本人もあんまり着たがろうとしない。

「悪神といえ、身の回りの事は自分でやらなければならん。美味しくするのはついでだ」

ゴスロリ姿で応えたのが、かつて幻想郷を騒がせたアジ・ダカーハだ。お茶を入れたのも当の本人である。

「でも悪行ばっかでお茶の研究なんて殆どしてないでしょ?」

「いや、キングアトラスとの争いで【お茶の入れ方】というのがあった。どちらが上手くお茶を入れれるか、というものだ」

余程この味が気に入ったらしく、リルアは、一息つくようにもう一口お茶を飲む。

「・・・・・、そんなんで主権争いを?」

「勿論。彼奴は『茶よりも酒の方が旨い』と言ってお茶を酒に変幻させたよ。その勝負に我は勝ったがな」

キングアトラスは太陽の神霊だが、同時に宴を司る神霊でもある。お茶よりも酒の方が性に合うのだろう。

「へぇ~。私も少し腕を磨いてみようかな」

そう言って更にもう一口。ふぅ、と一息ついてからムンッと気合いを入れて座席から立ち上がる。アジ・ダカーハはリルアの行動を不思議そうに見つめて、ふと思い出したかの様に口を開く。

「リルア、図書室に行くのか?」

リルアはそれを聞いて、驚いたように対応する。

「よく分かったね。さっきまで整理してたから、文庫の中がぐっしゃぐしゃのまんまなんだよねー」

「その事なんだが、今さっき神殿正面から誰かが来ていたぞ」

アジ・ダカーハは力を神殿の神力によって抑えられている。その神力を通じて、神殿の殆どの所から外部・内部を監視できるようになった。映りは随分と雑だが、侵入の有無等が確認できる、結構便利な能力だ。

「多分参拝客でしょ?気にする事無いって」

と言って、図書室に向かってゆっくり歩き出すリルア。アジ・ダカーハはその背中に言葉を続ける。

「いや、見た事がある。一見白黒の魔法使い・・・」

と、アジ・ダカーハが言い切らずに言葉を切る。その魔法使いが、南西の図書室前まで移動したからだ。魔法使いに魔導書は付き物だ。その動きに注視しつつ、リルアに魔法使いの行動を伝えようにしたとき、

神殿が大きく揺れた。ほぼ同時に爆発音も大きく響く。

「何っ!?」

リルアがアジ・ダカーハに問う。アジ・ダカーハは監視と同時に神殿の状態もリアルタイムで把握する事もできる為、このような状況で頼られる事が多いのだ。アジ・ダカーハも先程まで魔法使いを監視していた視点が何事かによって潰され、すぐさま別視点から確認を急ぐ。

「・・・・・、白黒の魔法使いが、神殿内部に侵入したな。図書室に向かって移動中だが」

 神殿がどうなって、リルアの私物がどうなっても、アジ・ダカーハにとっては対岸の火事だ。アジ・ダカーハは殆ど焦らずに答えたが、リルアは答えを聞いて凶変する。

魔理沙か・・・!!遂にその盗みの魔手が私の本まで伸ばしてきたか・・・、返り討ちにしてくれるわ!!」

と言って全速力で図書室に走り去るリルア。アジ・ダカーハはそれを宇宙の果てを見つめる様に傍観していた。

 

 

神殿の図書室には、数万の魔導書が保管されているが、殆どがリルアの私物である。その他はキングアトラスの酒に関する本で埋め尽くされている。危険な書物もあるため、本来は入り口・壁・床等の出入り出来そうな所にリルアが持っている中で最大級の強度を誇る【全知結界】を張っており、例え壁抜けの仙人でも突破は難しい。最近はそれにアジ・ダカーハの監視能力が加えられ難攻不落(笑)と化した。

しかし、リルアは息抜きで図書室から出る際に「すぐ戻るから」と思って結界を張り直さずにほっておいたのだ。その間に魔理沙もとい盗人に襲われるとは、全知のリルアでも思ってもいなかった。

 

「まさかこうも簡単に入れるとは思って無かったぜ」

魔理沙は高い天井を見上げる。紅魔館の図書館には劣るが、それでもかなりの迫力を誇っている。本があちこちに散乱しているのが気になるが、どうせ幾つか借りるだけだ。気に止めなくても大丈夫だろう。

魔理沙がそう思って辺りを見渡していると、ふと背後から大きな声が掛かる。魔理沙が何か聞いた事がある声だな、と振り返ると、そこには幾つもの虎の尾を持った着物姿の妖獣が立っている。

魔理沙、此処の本は借せんし読まさんが、一体何の用だ?」

紅竜玉神殿警備全般と財政担当、殆どの物を叩ッ切る能力を持つ麗翠九獅・リーヤ・テルースである。リーヤは盗みを企む魔理沙に人差し指をビシィッ!と突き付けた。

「此処にあるのは全て危険性の有る代物だ。其れは知ってるだろう?」

「いや、知ってても知らなくても借りるつもりだ」

と言いつつ手近の一冊に手を伸ばす魔理沙。リーヤは帯剣していた大きな剣を抜いて魔理沙に切っ先を向け、魔理沙を制する。

「どうしても本を借りるもとい奪うなら、この俺を倒してからにしとけ。警備専門が討たれたら流石に黙っとくしかないと思うからな」

「ほう、それは名案だ。思い切りさせてもらうぜ」

八卦炉を取り出して箒に跨がり、戦闘準備に入る魔理沙。リーヤももう片方の剣を抜刀する。

 

リルアの大切な物を色々と保存するこの図書室で、一つの決闘が開始された。

 

 

 

 

もう一話で完結しそうに無いですけど・・・・・、まぁいっか。

現在、テスト期間中です。てか突入しました、昨日。高校受験において今回の定期テストは比類無く重要な物なので、精力尽くしますが来週の更新は難しいかもです。

九教科ですよ?範囲も無駄に広いし、全く迷惑この上ない。一応頑張るつもりです。今のところ成績こそ良いですが、下降気味なので。挽回してやろう!!と思っています。

そして友人、仮にH君とかK君に見事な自慢話をしてやろうかと思っているろくでなしです。

そんな感じで、これからも「東方物語録」を御贔屓に、宜しくお願いします。