東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方乱千天 ~二~

二章・あー・・・、面倒な方向に発展するなぁ・・・。

 

 

 

一夜明け、魔理沙が約束通り羅千天邸の門前にまで来ると、門前で待っていた淵谷が、大きなあくびをしながら迎えた。

「あ、魔理沙さん。おはようございます~」

「大きなあくびだな。徹夜したのか」

「昨日から一睡もしてないです。申し訳ないです、全部翻訳できませんでした」

そう言って羅千天邸の中に入るよう促す淵谷。淵谷が先に中へ、その後に魔理沙が続く。入ると昨日と同じ妖怪が迎え、前回と同じ部屋まで誘導した。

使いを下がらせた後、淵谷は魔理沙から借りていた本を取りだし、眠そうに説明する。

「ざっと要約しますと、これは神代、天孫降臨程の時代に書かれたものです」

「相当昔だな。よく朽ち果てなかったものだ」

「何かしらの術の類が掛けられたと思います。この本自体、魔導書なんですが・・・・・」

聞きます?と魔理沙に問いかける。魔理沙は勿論、と笑顔で首を上下に動かした。

「魔導書なら、尚更聞いてみたいな」

「分かりました」

淵谷がページを開く。

「この本の著者は、天逆毎(あまのざこ)という女神だと思われます」

ココ、と淵谷が指差す。魔理沙はそこを覗きこむが、そこには意味不明な言語で文字が書いてある事が分かる。全く意味が理解出来ないが、淵谷の言葉で気になる単語の方が気になった。

「天逆毎って、どんな奴なんだ?」

「天逆毎はですね・・・」

 

天逆毎。スサノオが体内に溜まった猛気を吐き出し、其れが形を持って具現化した女神である。自分の思う通りに物事が進まないと荒れ狂い、どのような力ある神を千里の彼方へ吹き飛ばし、如何なる武器をも噛み砕く力を持つ。

力だけの事を聞いても恐ろしく感じるが、重要なのは其処ではない。

 

「天逆毎は、天の邪鬼や、天狗の祖と言われているんです」

「ほぉ?しかし、天狗の神様はたしか猿田彦じゃなかったか?よく覚えてないが」

「そこらへんは今度考える事にして、この本には」

淵谷が話を続けようとした時、襖が少し軋むような音で勢い良く開いた。淵谷がこの部屋で客をもてなしている以上、こんな事が出来るのは羅千天邸に只一人。襖を力強く開いた少女は、笑顔で淵谷に命令した。

「淵谷!!私は腹が減った!!飯を作れ!!」

「風里様、今は来客をもてなしている最中です。もう少し待って

「却下!!来客は何時でももてなせるであろう、飯は今しか作れんさぁ作れ!!・・・・・、と、来客とは魔理沙だったか」

勢いと話の先の急転換に魔理沙は精神的に一歩下がる。

「私はお前の事を知らんのんだが」

魔理沙がそう言うと、当たり前じゃ、と風里はクスリと笑った。

「初対面じゃからな。まぁ、此処ではよく話題に挙がるわ」

「ではこの際紹介しておきますね。此方が羅千天邸主人、羅千天 風里様です」

淵谷がさらさらっと風里の事を紹介する。風里が淵谷の紹介に合わせて、胸を張って自己紹介した。

「羅千天 風里だ。此れから宜しくな」

「あぁ、私を知っている様だから私の自己紹介は省くぞ」

「構わぬ。・・・ん?」

風里の視点が魔理沙からテーブルの本に向けられていく。風里は其れを手にし、ペラペラと捲ってみた。捲っていくうちに、風里の顔の無邪気な笑顔が消え始める。風里は魔理沙と淵谷の方を向き、神妙な顔で問うた。

「此は此れは・・・、紛失しておったと思うが?誰だ、此れを見つけたのは」

「はい、魔理沙が拾ったと」

淵谷が答えると、魔理沙が違うぞ、と訂正を加える。

「拾ったというか、借りたんだよ」

「ほう・・・・・」

と口数を減らし、 視線を気にせず集中して読んでいく風里。淵谷は暫く動かないな、と思って魔理沙に風里の紹介を続けた。

「風里様は、天逆毎の末の子供なのです。文書には残っていませんが」

「ん?じゃぁ神様なのか?」

「いえ、天逆毎は確かに神霊ですが、名も知られておらず、他神と比べても祀られていなので、末の風里様は神様より妖怪よりの存在となっています」

「妖怪なのか・・・。里でまだ知らん事があったとはな」

風里はフゥ、と一息ついてから本を閉じ、淵谷と魔理沙に告げる。

「此れは母上が残した文書の欠片じゃ。内容が・・・・・中々面白い」

それを聞いた淵谷が、嫌な予感を感じながら風里に聞く。

「風里様?まさか、その中に書いてある事を実行するなんて事は

「有る。アリアリじゃ」

風里の即答に、淵谷は大きな溜め息をついた。まだ内容を聞いてない魔理沙は、手を挙げて質問する。

「内容って何だ?まだ聞いてないぜ」

「え~・・・」

聞く?と淵谷は魔理沙の方に顔を向ける。魔理沙は笑顔でその答えに興味を示しており、とても秘密にしておけそうな状況ではない。淵谷はまたも大きな溜め息をつき、説明していく。

「風里様のお母様は、独立するであろう天狗達を再び支配する為、術をこの本に残していたのです」

「天狗を?」

天狗達は、幻想郷が外の世界と隔離される頃から居たらしい。元々鬼の支配下にあったらしいが、そこら辺はどうなのか。

「↑・・・、そこはこの本に書いてません。天狗は自分から生まれた以上、自分が支配するのは当然だと書かれています」

「酷い屁理屈だな」

「はい、しかし一番厄介なのは・・・・・」

淵谷は横目で風里を見る。つられて魔理沙も風里を見るが、既に風里は両目を輝かせている。

「淵谷!!飯はよい、私は天狗を再び支配下に入れる!!」

これです、と淵谷は両手を挙げる。風里は一度決め込むと、殆どの場合意見を折らない性格だと、淵谷は知っている。今回が良い例だろう。

魔理沙も一緒に異変を起こさんか!?」

「いや、私は・・・・・一応異変解決の仕事を承ってるs

魔理沙の台詞を押し潰すかのように、二歩前にでて机を叩く風里。机に盛大なヒビが入るが、そこに誰も気にしなかった。

「言い訳は無用だぞ!?実は起こしたいのだろう!?」

無理矢理でも此方側に引き入れようとする風里。魔理沙は助けを求めて勢い良く淵谷の方に顔を向けるが、淵谷は諦めなさい、という表情で返事を返してきた。魔理沙は仕方なく、

「じゃぁ1日くれないか?ちょっと考える」

と言ってみた。風里はまた何かを言おうと口を開くが、それより先に淵谷が魔理沙に救いの手を伸ばす。

「異変解決側が異変発端側に入るのは此処で決断するのは難しいのかと。風里様、此処は魔理沙に考える時間を与えては?」

風里は一瞬考えるように顔を垂らして黙りこむが、直ぐに顔を上げて答える。

「分かった。但し、私が納得するような返事をするのだぞ」

「はいはい」

 

風里は満足げに退出し、時間的にも帰る事にした魔理沙は、それを淵谷に告げると、淵谷は申し訳ないように頭を下げた。

「すみません、風里様が・・・。返事はしなくても大丈夫ですよ」

「あー・・・、淵谷も大変だな」

「まぁ・・・、毎日は楽しいですよ」

と言いながら襖を開いた淵谷。先立って誘導しようとするが、もう道を覚えた魔理沙は淵谷の思いに感謝しつつ、誘導は不要と言った。

「そうですか・・・・・、わかりました、では此処で」

「ああ」

魔理沙の背中を見送った淵谷は、恐らく無駄だと思われる風里の説得と暫く受講の停止の内容を考えながら、助言をしてくれそうな人を探した。

彼女は自分と風里が出会う其れより前に、風里と出会い、今では親友関係にある程の人だ。いや、人ではないが。

「亡命様に、助けを求めましょうか・・・・」

此れから異変を起こし、解決側にボコボコにされるのはいい気分になれない。今なら異変による被害も小さく出来るかもしれない。

と思いつつ、月に向かって大きな溜め息をついた。

 

 

 

 

投稿が不定期になってきたなぁ・・・・・。思い付けば進むし、思い付かなかったら進まない。但、面白くなければ意味はないですが。

期待されるような作品にしていきたいです。

本来なら土曜日に終わらせようと思っていたのですが、土曜日に出雲・熊野大社、八重垣神社、神魂神社に急遽行くことになったのでこうして遅れました。

こうな感じで、乱千天は進んでいくのです。気紛れですね。

では、ここら辺で。