東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方乱千天 ~三~

三章・やっぱり。お約束とはこの事ですね?

 

「・・・・・魔理沙はまだなのか!?」

此処は羅千天邸。その中でも、最大規模の広さを持つ、風里の私室である。この部屋に居るのは、現在二人。

羅千天邸主人、羅千天 風里と、

それに仕える、薫風 淵谷である。

「あれから一週間、魔理沙は魔法の森から出ていないらしいではないか!私との約束を忘れたのか!?」

魔理沙も異変を起こす起こさないで迷っているのでしょう。落ち着いて待ちましょう?」

我慢出来ずに、両手を振り回す風里。風里の回りには特に何もなく、何かを壊される心配はない。淵谷は平常心で風里を宥めた。

(このまま異変の事を忘れてくれれば幸いですね)

と思いつつ。博麗の巫女にボコボコにされるのは個人的には嫌だ。医療費とかが洒落にならないし、家の作業が停滞する。特にやることはないが・・・・・・。

「今回の計画された異変は淵谷と私が居れば成り立つが・・・・・、此れでは少ない、最悪あと二人欲しい」

風里が異変に動かないのは其れが理由である。時間をとにかく稼がなければ、この異変は失敗してしまう。何か違和感が有れば直ぐ霊夢は動くので、誰かが巫女を足止めしなければならない。

 霊夢をよく知る、しかもお互いに修行相手でもある魔理沙霊夢に当てれば、十分な戦果を期待できる。風里がはたして其処まで考えていたとは思えないが、淵谷から見れば良い戦法であった。

魔理沙が来れば直ぐに行動に移すだろうが、逆に魔理沙が来なければこの異変は始まらない。風里も何時か飽きるだろう。

(魔理沙には極力来ないように言ったし、大丈夫だと思いますが)

嫌な、しかも相当嫌な予感がするのは気のせいだろうか。魔理沙ではなく、他の人が代理しそうな気がしてならない。淵谷はひっそりと冷や汗をかきながら思う。

淵谷が風里を宥めていると、不意に外の廊下から声が掛かった。

「ららー、ららー、らーらー?」

という声と共に開けられる襖。そこに立っていたのは、巫女服を着用した亡霊が居た。巫女の亡霊で此処に気安く来るのは、幻想郷でも一人しか居ない。

「亡命様?どうしたのですか?」

「あ、淵谷。羅々がまた何処かにいったのよ」

 

幽幻 亡命(ゆげん もうめい)。幻想郷で唯一、巫女という聖職から亡霊となった人である。淵谷と風里が出会う更に前、風里と亡命が出会い、其れから一緒にいたのだという。

どこの巫女だったか。此れは羅千天邸の住人以外、知る者は居ない。

亡命は、元々博麗神社の巫女であった。博麗の巫女が亡霊になっている、となれば人間達は一層博麗神社に嫌悪感を持つだろう。此れは後の博麗の巫女にとって嬉しくないので、亡命は存在を幻想とされている。紫にすら、亡命の存在は悟られていない。

 

「羅々が?また何処かに隠れて・・・・・、彼奴にもちゃんと家事を教えて私の手伝いを出来るように・・・・・じゃなくて、何時もの場所に居なかったんですか?」

「ええ。ん、風里?なんでそんなに機嫌が悪いの?」

亡命の目線が淵谷から風里に移動する。風里は座布団に正座で座っていたが、胡座に座り変えて答える。

「ちょっと異変を起こそうと思ったんじゃ。だが人手が足りんでの」

元巫女である亡命は、興味を持って風里の前に座る。

「異変?どんな?」

「すまんが、異変賛同者以外に其処は教えられん・・・・・そうじゃ!」

風里はわざとらしく手のひらを叩き、亡命の手を持って問う。

「亡命、私の起こす異変の手伝いをしてくれぬか!?」

風里の言葉をその耳で聞いた亡命。三人に広がる不自然な間、亡命はしばし目を点にした。

ハッとした淵谷は呼び止めようと口を開くが、時は既に遅い。亡命の瞳は星があるかのようにキラキラさせ、

「異変!!生きてる時は職業柄無理だったけど、今なら出来る!!やる!やる!!」

 と言った。風里はおお!!と互いに手を取り合う。淵谷は額に手を置き、大きな溜め息をついた。

「終わった・・・・・」

淵谷の呟きを他所に、風里と亡命は高らかな声で宣言した。

「目指すは幻想郷の征服じゃぁー!!」

「現博麗の巫女を、ギャフンと言わせてやりましょぉー!!」

両手を挙げて気合いを入れる二人。高らかなるこの宣誓は外に聞こえないよう、淵谷がこっそりと風を弄くっている。最悪、主が実行する以上従者がついていかない訳がない。呆れるが。

淵谷は空に向かってまたも大きな溜め息をついた。

 

 「羅々?らー・・・あ、いた。羅々ー」

淵谷が廊下で向こうへ歩いていく羅々を呼び止める。

「へ?あ、淵谷。どしたの?」

羅々は笑顔で振り向き、淵谷に問う。

 

火戦詞 羅々(かせんうた らら)。他個体が幻想郷で確認されていない、【古戦場之火】という怨念または鬼火が具現化し、風里によって式神が憑いた妖怪である。

主に奥で静かにする(はずの)亡命の手助けをする役目をおっているが、殆ど仕事をしていない。風里も式神を憑かせた後はほったらかしの為、いい具合に力が付いた運の良い鬼火である。

 

「今から異・・・・・いやいや、今から亡命様と風里様を連れて外に出てくるので、此処で式と一緒に待っててくれませんか?」

 「んー、いいよ。直ぐ帰ってくる?」

「直ぐかもしれませんし、長くなるかもしれません」

羅々は聞きたい内容を聞き終わると、ビシッ!と綺麗な敬礼をして見せた。

「おっけー!早く帰ってきてね!」

 

風里、亡命、そして淵谷はその晩、三人でひっそりと羅千天邸、そして人間の里から抜け出した。

 

 

 

 

 

1と2の間が早かった分、3が遅く感じましたねお待たせしました!

オリキャラは一通り出たなぁ。今回は二人の新オリキャラ、亡命と羅々について少し語りましょうか。

亡命と羅々は気付いての通り、主従関係にありますね。亡命が上、主です。亡命は、まぁ後々詳しく語りますが、博麗神社の元巫女さんです。幻想郷が結界で隔絶される以前、博麗神社で掃除とか異変解決とかをしていました。当時は妖怪の力が今より強く、より凶悪な異変が発生していたのです(二次的な設定その一)。

生前の亡命は、何時もの時のように異変解決に出向いたんです。其れで死んでしまう、または其れが原因で病にかかって、しんでしまいました。それで亡霊になったのです。

羅々は、戦国時代位からの死者の怨念を吸収して強力な鬼火、または妖怪だったのです。その時地域では無双を誇っていたのですが、それから風里に目をつけられ、ボコボコにされた上に式を憑かされ、風里の従者その一にされたのです。だから淵谷より羅々が先輩ですね。でも能力が淵谷の方が高いので淵谷の方が立場が上なのです。

こんなもんですね、二人の紹介は。何時か、乱千天のオリキャラを紹介する回、また記事を投稿するので待っててください。

それでは、ですね。