東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方乱千天 ~四~

四章・なんで私が奔走しなきゃならないの?

 

「何処にいったのかなぁ・・・・・」

「ん、どうした?」

此処は紅竜玉神殿の、境内前である。其処にはいつも通り雑用を任せられて落ち葉を掃除する白夜と、珍しく外に出て境内前の茂みを探るリルアがいた。

白夜はリルアを不思議そうに見ている。魔法で物を持ってき、かつ記憶力の良い彼女が物をなくすのは珍しい。また、野外でリルアが本を読むことは滅多に無く、白夜は幻想郷に来て外で本を読んでいる姿を見ていない。外にとてもではないが有るとは思えない。

白夜は竹箒の作業を止めてリルアに近付き、助け船をだす。

「リルア、どんな魔導書を無くしたの?外装を言ってくれれば良いけど」

「ん~っとねぇ・・・・・」

茂みの中を掻き分ける手を止めないリルア。作業をしながらリルアはパチンと指を鳴らした。すると神殿の方から一冊の本が独りでに飛んできた。本は白夜が広げた手のひらまで滑空し、動きを止める。

「外装はそれと同じ。タイトルは【支配奥義書】、天逆毎が書き残した支配の為の術を記してる。で、無くなったのはその原本で、其れは複製」

「支配奥義書、か・・・・・・」

ペラペラと中身を読んでみる白夜。何だか見たことの有りそうな読めない文字が羅列し、興味が失せて閉じる。

すると、なんかが記憶に引っ掛かった。外装とか外装とか外装が。

そういえば誰かが似たような本を持ってきたような・・・。

しかし自分の頭に残っている記憶は枯れ葉を箒で集めて燃やした記憶と、魔理沙が集めた落ち葉を吹き飛ばした位で。

・・・・・・あ。

白夜は本の在処を確信した。とはいえ、リルアに其れを言えば怒り狂い霧雨魔法店が灰に成るのは火を見るより明らか。

「ごめん、わからない」

とりあえず魔理沙を庇い、後で追及する事にした。複製本の支配奥義書をリルアに渡す。リルアは茂みを探る作業を止めて支配奥義書を受け取り、はぁぁ~、と大きな溜め息をついた。

「何処にいったんだろう・・・・・」

「ずっと探してるんでしょ?アジ・ダカーハにお茶でもいれてもらって、一息ついたら?」

「んー、そうしようかな・・・・」

トボトボと神殿へ引き返すリルア。白夜はその背中を見送った後直ぐ竹箒を片付け、魔理沙が居そうな所に急いで飛んでいった。

 

 

 

「ん・・・、いい風ね」

人間の里まで買い物の為下りてきた霊夢。異変を解決した際に、神殿がアジ・ダカーハ再封印の偉業に感謝の意を示し、お賽銭を入れてくれたのだ。霊夢はそのお金で一時的に貧乏生活から脱出している。

元々人間の里には淵谷が快い薫風を吹かせ、心地よい感じを作り出している。先程の風は何時もより濃い匂いで若干強かったが、人間なのだから少し位ミスが有るだろう、と思い、霊夢は買い物を続けた。

 

 

この時、霊夢が薫風を便りに異変だと感じ取っていれば、まだ事は発展しなかったと思われる。

 

 

「あの本・・・・・【支配奥義書】を風里の所に貸し出した!?」

鳥達が驚いて飛んでいく程の絶叫が魔法の森に響き渡った。

「あぁ、私では解読できんし、風里も必要だと言ってたからな」

「・・・・・・」

あの風里に支配奥義書を貸し出すとは、彼奴なら異変を起こしかねない。淵谷が止めれるとも思えない。白夜は額に手を置いて大きな溜め息を吐いた。

「はぁぁぁ~~~~・・・・」

「溜め息をすると幸せが逃げていくぜ?」

「誰のせいで溜め息を吐いたとおもってんの、全く・・・・・」

しかし失望している暇は無い。早く手をうち、風里から【支配奥義書】を取り返さなければ、異変が起きて面倒な事態に発展する上にリルアについてしまった嘘の言い訳、暴走するリルアの足止め、禁書を不意にも奪われてしまった神殿への非難その他諸々という事を自分一人で処理しなければならない。

「仕方ないなぁ・・・・・、一回羅千天邸に出向きますか」

「すまんな、こんな事になってしまうとは思ってなかった」

「いいよ・・・・・、自分のせいでもあるし」

白夜は次の目的地である、羅千天邸のある人間の里の方角へ飛んでいった。

 

 

 

「風里が、淵谷を連れて何処かに出掛けたぁ!?」

里の人間が驚き、身構える程の絶叫。道行く人々は絶叫を不思議に思いつつ、足を再び動かした。

・・・・・羅千天邸の門前には、「本日以降未明まで、薫風 淵谷による受講はお休みします」という看板がある。

「はい、目的地は羅千天邸に住んでる者は聞いてないそうです」

「・・・・・えぇ~~~・・・・・」

まさかここまで足を運んで無駄足だったとは。白夜は幻想郷に来て最大の溜め息を吐いた。

「申し訳ございません・・・・・」

「いや、別に貴女のせいじゃないから・・・」

これではこっそり神殿を出てきた意味が無い。時間はほぼ永久的にあるとはいえ、神霊になって五指に入る無駄な時間だと思うと、一層脱力感がわいてきた。白夜に対応した受付の妖怪は戸惑ったが、白夜が疲れていると判断して此処で休むよう聞いてみた。

「宜しければ、此方でお茶を用意します。一服してはいかがでしょうか?」

「う~ん、じゃぁそうしてもらおうかなぁ」

風里の居場所が確定出来ない今、自分が出来る事といえばお茶と酒を呑んで落ち葉を掃除する程度しかない。白夜は追撃を諦め、受付の妖怪に誘導されるまま奥へ足を運んだ。

 

 

 

人間の里だけで吹いていた薫風が、幻想郷全体まで吹き始める。薫風は人間のみならず、幻想郷に住む魑魅魍魎の気分を良くした。

・・・・・、一部を除いては。

―――薫風は森を越え、竹林を越え、川を越え山を越え、幻想郷を包み込む。彼らは風を伝って幻想郷の声を聞く。薫風で真っ先に影響が出ない訳がない。

 

 

幻想郷から、風を読む守護者と新聞記者の姿が消えた。

 

 

 

 

 

 

異変が本格的に発生してきました。まだ全貌は明らかにしていませんが、確かに消えた、と表記された妖怪が居ますね。居ますよね。

さぁ、五から本格始動です。序でに、専門用語を一つ説明しておきましょう。

【支配奥義書】は、中身でも説明されていますが、天毎逆(あまのざこ)が定めた支配の奥義を書き残した魔導書です。Wikiで調べても出てきません。完全な二次です。でも、天毎逆は出てきます。

何を支配する為のか・・・、と、小説の中でヒントというか答えを書いていますが、あえて語らんでおきます。

厚さは三センチ位、大きさは「東方茨歌仙」位。

あー、よく思えば小説の中で一つの謎として残していた方が、ネタが増えますね。今気付きました。

説明はここで終わりましょうか。

 

五は今週中に更新します・・・が、正直ちょっと遅れるかもです。

それではまた。

 

・・・・・アクセス数を見る限り、沢山の人が「乱千天」を、「東方物語録」を見てくれているようです。有り難う御座います。

より一層、頑張らんにゃぁな!