東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方乱千天 ~九~

九章・幻想郷の少女はいいかげんな奴ばっかだ。

 

 

 

風里の命令を受けた淵谷は、高速で香霖堂に向かっていた。

・・・・・・道中で、妖怪は何人か見かけたんですが。皆に断られてしまいました。

確かに、巨大すぎる相手だ。手を出さない方が自然だろう。怖いし。

ただし、一人だけ特徴的な答えと、ヒントをしてくれた妖怪が居た。

 

たまたま通った道に、大きな花畑があったのだ。花畑に居る妖怪と言えば、まず思い浮かぶのが風見 幽香だ。彼女は幻想郷でも屈指の実力。大蛇討伐で味方になってくれれば、これ以上無い戦力になってくれるだろう。

淵谷は、花畑にある一つの家に無断侵入した。

 

「勿論風里を手伝わないけど、何か用?」

「え~っと・・・・・、即答ですか」

音も何も出さずに扉を開けたつもりだったが。幽香は客人をもてなすように、紅茶を入れたコップを二つ用意して座っていた。

「それとも、ノックもせずにゆっくりと人の家の扉を開けた事かしら?」

おっそろしい笑顔を見せる幽香

「う、それは本当に申し訳無いと思いますが」

 と言いつつ、用意された椅子に座る。そのまま、用意された紅茶を口に運ぶ。羅千天邸では味わえない、ほのかな香りが鼻を擽った。一言で言えば、とても美味しい。

「美味しい、って顔に書いてあるわね」

 淵谷の様子を見ながら、クスリと微笑する幽香。その様子を見るに、無断侵入した事は特に気にしてないようだ。無断侵入する輩が多すぎて、耐性が付いたのかもしれない。

「仰る通りです。しかし・・・・・」

「ええ、手伝わないけど、何?」

当然のように、手を組んで話す幽香

「八岐大蛇は確かに強い。でも、私はそんなのを相手するよりも、花の世話をしたいし」

「う。其処をどうにか出来ませんか?」

流石は花の妖怪。対岸の火事よりも、好きな花の世話の方が気になりますか。

「どうにもならないわ。でも、ヒント位ならあげれる」

そう言って、コップの紅茶を口に運んで一拍間を空ける幽香

「・・・・・、ヒント? 

「そう、ヒント。香霖堂へ行きなさい。あそこには色々な古物がある。何か使えそうな物があるんじゃない?」

香霖堂は、幻想郷の物のみならず、冥界や天界、外の世界の物を扱う癖がある店の事である。此処まで範囲の広い商売道具を売っている店は、幻想郷に二つとて無いだろう。淵谷は、存在だけは知っていたが、実際に行ったことはない。魔法の森の何処かにある、という情報しか持ち合わせていない。

だが、宛の無い調査よりも、ずっとマシかと思える。

「分かりました、じゃぁちょっと行ってきます」

静かに立ち上がる淵谷。

「まるで、成果が無かったら戻ってくるような言い草ね」

「んまあ・・・・・・、その時は土下座してでも手伝ってもらおうかと」

恐らく土下座しても意味ないだろうが。しても頭に足を乗せられそうな気もするが、今はその考えを抑えて、幽香邸の扉を開ける。

「では。お邪魔しました」

 

このような行程があって、淵谷は香霖堂に向かっている。

「威勢良く、幽香さんの家を飛び出したのは良いですが」

香霖堂の場所が分からない。魔法の森の何処かにある、という情報しか持ち合わせていない。魔法の森は広大なので、細かく見ていったら時間が掛かる。

適当な処で停止して、魔法の森をざっと見る淵谷。青々と茂る木々達。さながら樹海と言って過言ではない広さだ。改めていちいち捜すのが無謀だと感じられる。

「いっそのこと一部の森を吹き飛ばしましょうか・・・・・・」

思った事が声に出てしまった。ならば隠すことは無いでしょう、と淵谷は片手を足下に広がる樹海に手を向ける。そこに、淵谷の隣へ一つの人影が流れてきた。

「それは止めてくれ、茸が減ってしまう」

「あ、魔理沙。久し振りですね」

「あぁ。ほんの一週間振りだな。で? どうして急いでるんだ?」

「分かりましたか。あの、香霖堂がある場所って知りませんか?」

香霖堂? お前もあんな店に用があるのか」

と言って、魔理沙は南の方向を指差す。

「森の入り口にあるぞ。まぁ私も行こうと思っているんだg

「有り難う御座いますッ!!」

風よりも早く。呆然とする魔理沙を他所に、淵谷は香霖堂へ向かっていった。

 

魔法の森の入り口に、その店はあった。森の雰囲気には似合わない異国風の店である。結構年代が経過していて、上の方には苔まで生えていた。そんな外見を無視して、淵谷は直ぐにドアノブに手を伸ばした。

「開いてますか?」

「はい、いらっしゃいませ」

カウンターで読書をしていた一人の男性。恐らく、この店の店員か店長だろう。

「初めて見る顔ですね。僕は森近 霖之助。この店は

霖之助が店の事を説明しようとするが、急いでる淵谷は大股で霖之助に接近し、カウンターを思い切り叩いて黙らせる。お陰でカウンターに少し嫌な音がした。

「此処に、八岐大蛇位の妖怪に効果的なダメージを与えれる武器か何か、ありますか?」

霖之助の口の動きが止まる。

「お金は言われた額出します。貸し出しでも良いので・・・・・そうですね、草薙の剣とか」

「・・・・・・そこまで貴重な武器は、此処には置いてませんね。此処は道具屋ですよ?」

霖之助が眼鏡をかけ直す。淵谷はむぅ、と少し考えた後に、身を乗り出して霖之助の眼を覗いた。三十秒程霖之助の眼を見て、淵谷ははぁ、と溜め息をついた。

「私に嘘をつくとは。バレバレですよ?」

「いえ、嘘なんてついていませんが」

「残念ですが、こう見えて私は天狗です。貴方位の心情なんて、手に取るように分かりますよ。それとも、『あの店には草薙の剣があるぞー!!』って幻想郷中に言いふらしますよ」

分が悪いと悟ったのか、霖之助は大きな溜め息をつく。

「・・・・・ずいぶんと恐ろしい脅迫ですね」

「急いでるので。此処からは見えないでしょうが

淵谷が妖怪の山近くの状況を話そうとしたとき、地面が一秒程揺れた。向こうで戦っているのだろう。

「説明する時間も惜しいです。貸して頂ければ使用後すぐ返すので、心配しないで下さい」

霖之助にとって、この剣の事を極力秘密にしたいが、このまま貸し出さなければ幻想郷中に明かされてしまう。立場として圧倒的に不利だ。霖之助は渋々、鞘にしまっている『草薙の剣』を淵谷に渡した。

「君は魔理沙のように返さない気がしないが、必ず返してくれ」

「分かってます。明日にでもなったら人間の里の『羅千天邸』に来てください。研いだ状態でお返ししますので」

淵谷はそう言って、高速で香霖堂を後にした。

 

 

 

 

遅くなりました。

一体誰のせいだ。間にテストが入ったから学校のせいか。

そんなわけない全部自分のせいですねごめんなさいいや本当に。

一寸前に『もう遅れないようにするぞー!』って言ってた自分がバカらしいですね。

うん。がんばります。遅れないように、あと受験も。

では、この辺にて・・・・・。