東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方絶天火 ~Evil deity of the far-off continent.2~

「ここか、紅魔館は」
巨大な山の麓にある大きな湖、にある洋風の館。門前の近くに来た白い着物を着用し、後ろの腰に九つの虎の尾がある和風の少女、麗翠九獅・リーヤ・テルースが思い出すように北東の空を見上げる。
「リルアによれば、この館には二人位吸血鬼がいるらしいな」
ひっそりと独白する。自身も神獣の一角を占める妖獣だが、純血の吸血鬼に勝てる自信はあんまりない。
純血の吸血鬼といえば、一人で帝国の一個師団、約四千人の部隊を難なく壊滅させたという、馬鹿馬鹿しい報告を聞いたことがある。修羅神仏ですら手を焼く数だと思うが。

だが、恐れていては襲撃は出来ない。
「とりあえず、行くか」
と、門の近くまで接近する。すると案の定門番に止められた。見たところ中国風の姿をしている、背の高い女性である。
「あの、紅魔館に何か用ですか?」
リーヤは一瞬考えた。無視して門をぶっ壊すか、門番を蹴散らして門をぶっ壊すか。流石に無視するのは失礼だろうが。
面倒なので、最初の案を決行した。
「ふんっ」
刹那に抜刀した剣の一閃。門は無残にも叩っ切られ、騒音と共に崩れ落ちた。
「よし、これで良い」
「良くないですよ!! どうしてくれるんですか!?」
突っ込まれるリーヤ。そういえば、この人の名前も教えられたような。
それ以前に、自分は何時からボケる側になったっけ。
「すまない。邪魔するぞ」
「勝手に入らないで下さい!!」
立ち塞がる門番。対処に困ったリーヤは、とりあえず向こう側に吹き飛ばした。

向こうの方に転んでいく門番。
「すまないが、此方の世界のルールは知らないんだ。・・・、もう聞こえんか」
妖怪だったが、利き手の一撃である。神獣の一撃に普通の妖怪が耐えきれるはずがない、と思ったが。
煙の中に、人影が一つ。
「まさか初対面無断で一撃を食らうなんて思ってませんでしたよ」
殺気を放つ中国風妖怪。結構体は頑丈なのだろう、と自分の考えに一喝。
「失敬。自分はリーヤ。麗翠九獅・リーヤ・テルースだ。一撃で死ぬと思って強襲した。実に無礼だったな」
「殺す気があっての無礼ですか? で、紅魔館に何か用ですか。侵入者なら全力で相手しますよ」
「門番を倒したら侵入する理由ができるな。ああ、侵入者だ」
刹那の瞬間に間合いを詰めたリーヤ。
「その程度の実力じゃ俺は止めれんよ」
先程よりも、更に大きな力でぶっ飛ばした。
「ぐぅ・・・・・・ッ!?」
「申し訳ないが、我々には時間がない。弾幕ごっこか、よくわからん遊びに誘われる義理がない」
砂煙とともに壁に激突した門番。どうやら気を失ったらしい。
「うーむ、この異変を終わらせたら調べてみようk
「これはお前がやったのか?」
突如として響き渡る第三者の声。幼そうな声音だが、桁違いの殺気がこもっており、それも先程の門番とは比べ物にならない。リーヤはゆっくりと館の時計台を見た。
そこには、一人の従者を従える、一対の蝙蝠の翼を持つ幼女がいた。
「もう一度問う。美鈴をやったのはお前か?」
尋常ではない覇気。成程、カリスマとは俗に此れを指すのだろう。
「ああ。この館の主だな? 命令で、吸血鬼のお前を討伐しに来た
リーヤの語尾で刹那に穿たれる大槍。憤怒の込められた禍々しいその槍はリーヤの回避能力を完全に上回っていた。

「!?」
腹の大きな大剣で受け止めるリーヤ。神の力で鍛えられた剣は大槍の一撃を受け止めたが、その均衡は僅かコンマ数秒で幕を閉じる。
「ぐお・・・・・・ッ!?」
今度驚かせられたのはリーヤの方だ。神造の剣が一秒も耐えれぬ威力を、自分の身に直撃させれば分解するだろう。実験はしたくない。
「まだあの・・・美鈴とか言う奴は死んでないが?」
「生死の問題ではない」
こいつが例の吸血鬼、というのを思い、勝率が微塵も無いことを悟った。
(こりゃぁ、この吸血鬼が邪魔して来ないように時間稼ぎしろってことか)
なら真実をいってくれた方が良い方向にいっていた、と思うリーヤを他所に、吸血鬼は問答無用の弾幕を放つ。リーヤは上手く避けつつ叫んだ。
「お前が例の吸血鬼だな!?名を聞こう!!」
「私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主の、誇り高き吸血鬼だ!」

途方もない弾幕がリーヤに迫った。

 

 

場所を変えて、霊夢サイド。 

自称「大悪魔」、リーザを撃退した霊夢魔理沙は、そのまま北東に向かっていた。
目指すは、北東の果てに有るという白銀の神殿。白夜を追い出したという、紅竜玉神殿である。
「で、何だ? 霊夢は異変を起こした側の事を何か知ってるか?」
「いえ。でも、途中まで白夜ってゆう奴は色々知ってるっぽい」
「白夜? 本で読んだことがあるが、あの太陽が沈まない現象の事か?」
「いえ、ただの狐の妖怪・・・・・・」
「妖怪? へぇ、どうした」
「あれ、普通の妖怪じゃなかったわね」
他愛もない会話が続く。あの自称大悪魔を倒してからは敵らしい敵も見当たらず、暇をもて余していた。
本当に事件を解決する気でいるのか、と他の世界の人は言うだろう。
少なくとも、異変側はそうである。億千万の死地を経験し、その死線を乗り越えてきた異変側は、その態度にほんの少し怒りマークを浮かばせて(一部除く)いると思われる。
霊夢達が話をしている時、この空域は静穏に包まれていた。

二人の気が逸れたほんの一瞬。
二人の目の前が突如、大爆発した。
「「!?」」
周囲を見渡す。そこに敵らしい敵は見てとれない。
代わりに、南西の方角から、大きな尻尾を九つ持つ狐が近づいていた。
「間に合った、全く霊夢は早いわ・・・・・、此方の方は」
白夜が魔理沙の方を見る。
「私は霧雨 魔理沙、普通の魔法使いだぜ」
魔理沙ね。これから宜しくお願いするわ」
「お願いされたぜ。全くどうしようか」
「普通にこちらこそって返す気はないんかい」
「あぁ、そのとおりだぜ」
微笑も交える会話も最中、またも一尺先が大爆発する。
「うわ・・・っ?」
おかしい。思わず口がつり上がるほどおかしい。
目の前で確かに爆発しているのに、爆風が全く吹かないし熱もない。
駄目押しに、白夜だけは全然驚いていないのである。
「白夜、これって」
霊夢が白夜に問う。白夜はその質問を聞くなり、北東を睨んだ。
霊夢が思った通り、異変側の攻撃。詳しく言えば、神殿結界砲台の攻撃よ」
「異変側? 何だ、随分と物騒だな」
「時間稼ぎ・・・・・かな、多分」
「時間稼ぎ? 何のために?」
霊夢からの問いかけに、白夜は答える事を一瞬躊躇った。考えるように上を向いて、決心したかのように二人を見る。
「あいつら・・・・・・、紅竜玉神殿の奴らは幻想郷の支配を望んでる。更に上手く事が進めば、軍隊の駐屯を行うと思う」
「軍隊の駐屯だと!?」
「・・・・・・、何のために?」
白夜は更に深刻な表情になる。
「幻想郷は外界と隔てられた世界。軍隊を置けば、どのような邪魔者も気付く事が無いから。勿論、反抗する原住民は」
「全員駆除、ね」
「そりゃぁ・・・・・・」
あってはならない。幻想郷にとって、これ程卑劣な事はないだろう。
抹殺され、利用され、支配される。そのような状況を、とても想像したくなかった。
「だから急がないといけない。あっちはいち早く召喚の魔方陣を完成させて、軍隊を召喚したい。一度に召喚できる軍隊はおおよそ一万で、そこから推測するにあと一時間。あと一時間で、第一波が召喚される」
「一時間? これって余裕なのk
「とにかく急ぎましょう。白夜、何か障害は」
魔理沙を抑えて無理やり入り込む霊夢
「結界砲台。だから、私が防御結界を張って前衛になる。二人は弾幕を張りつつ私を盾に、神殿の防衛弾幕を一気に突破する。どう? 簡単でしょ?」
「おう、確かに。単純明解だな」
「じゃあそれで行きましょ。白夜は大丈夫なの?」
「まぁ、伊達に武神やってるから。きっと大丈夫よ」
「へぇ、そうなの?」
「・・・・・・神様だったのか」
「雑談はもう終わろうか。『対弾幕結界』」
白夜の九尾が白銀に輝き、結界が展開される。二人は白夜の後ろに移動した。
「トップスピードでいくから。心して」
三人は、今までとは比べ物にならない速さで飛んでいった。


再び、紅魔館に話の主点を戻します。
「痛い。本気で痛い。降参する。降参するからもうやめてくれレミリア
紅魔館門前。リーヤは満身創痍になっており、対するレミリアは、身体中傷だらけだが痛そうな傷は一つもない。
「もう降参? 結構呆気なかったわね」
「めちゃくちゃ奮闘したつもりだが」
スペルカードを納めるレミリア。リーヤもぼろぼろの愛剣を鞘にしまう。
「でも、ここを攻撃したからには何か理由があっての事でしょう? 見れば貴女、かなり頭が回りそうだし」
リーヤはレミリアの指摘に驚愕した。見た目は幼女なのにその鋭さは尋常ではない。
「まぁ、理由は有るけど言えん。でも、任務は失敗だし、大人しく紅茶でも戴こうかな」
「あげるとは言ってないけどね。咲夜、頼める?」
「承知しましたわ」
消失するレミリアのメイド。
「幻想郷って、本当に色んな奴がが居るんだな」
小声で独白するリーヤ。レミリアには聞こえなかったらしく、
「リーヤ? 入らないの?」
こんなことを言われてしまった。
「あ、すまない」
リーヤは紅魔館の門をくぐり抜けた。

 

 

 

 

 

視界が、虹色の弾幕に覆われた。

「・・・・・・ッ、・・・・・・うぐッ!!」
『対弾幕結界』に直撃する数多の弾丸。一つ一つが人の背丈を優に超える巨大な物だ。身に直撃すれば只ではすまない。
白夜も結界をドリルの先端のような形象にし、極力受け流すようにしているが、かするだけでも白夜に大きな負担を強いさせた。
「白夜、大丈夫か!?」
魔理沙が心配するが、その声は既に白夜の耳に届いていない。
この一撃は、霊夢魔理沙の身を一瞬で砕くだろう。白夜は二人の盾になると約束した。
「!! 見えた、白銀の神殿!!」
霊夢の見る北東の空。遂に見えた、紅竜玉神殿。
「もう、少し・・・・・・・!」
白夜は更に結界に力を込める。後ろで魔理沙が、弾幕を薙ぎ払うべくミニ八卦炉を構えた。


「『恋心・ダブルスパーク』!!」


ミニ八卦炉から放たれる、大悪魔を撃墜した二つの魔砲。それは弾幕をかきけして白銀の神殿に直進し、神殿を守る結界に直撃した。硝子が割れたような音と共に、結界全体に亀裂がはしる。
「あの感じだと、あと一発で結界を壊せそうだ。壊していいのか?」
「かまわない・・・・・、結界を破れば、弾幕も止まるはず!!」
白夜が移動を止めて『対弾幕結界』を解除し、一気に力を解放した。
「穿て、『大神槍』!! 開け、『戦爆結界』!!」
白夜の眼前に光が集まり、爆発する。光の粒子が弾幕をかきけした。
「じゃあいくぜ!『恋心・ダブルスパーク』!!」



弾幕結界が壊されたな」
神殿の正面の門。背の小さい少女が仁王立ちしている。
「これじゃ間に合わんな・・・、といっても、あれを止めても紫にばれてるから無理か」
少女は苦笑する。
「もう・・・、来るよなあ。準備するか」


それから少し時の間があり。

 


「これが、紅竜玉神殿・・・・・・」
三人は、神殿内の侵入に成功した。
「はぁっ、はぁっ、・・・、疲れた・・・・・・」
白夜が疲労で足が崩れるのをよそに、霊夢魔理沙は、珍しそうに周囲を見渡した。
「広いわね・・・、普通に弾幕ごっこができるくらい」
「何だこの壁。材質が紅魔館と見た目似てるけど全然違うな・・・」
各々が即座に思ったことを口に出す。白夜は息を整えながら答えようとして、
「ああ。百柱余の神々を祀る帝国最大の神殿だ、大きく荘厳でなくてはならない。壁も、大神木と金剛鉄その他を使用している、世界最強の対衝撃壁だ」
広間の奥から聞こえた声に妨害された。広間の奥から、一見十五歳程の一人の少女が歩いてくる。
「で、あんたは?」
霊夢が十メートルほど離れた少女に問う。少女は静かに、けれども威圧的に答えた。
「紅竜玉神殿の主宰神で、天下に誇る帝国神話の主神、『竜神』キングアトラス。人世塵にさせる劫火を操る、一万二千柱の神々を束ねる神霊だ」
「主神!? 主神って一つの神話で一番権威のある奴のことだろ!?そんな奴が幻想郷に居るんだよ!?」
「じゃぁ、こいつの存在は天照大御神とか大国主神と同等って事?」
「如何にその通り」
自慢げに胸を張るキングアトラス。
「じゃぁ、キングアトラス? 偶然此処に来たのは分かってる。けどなぜこの幻想郷を侵略しようとするの?」
霊夢がキングアトラスに質問する。その質問を聞いたキングアトラスは目を丸くし、
「このような素晴らしい場所を、手に入れない手は無いだろう?」
「「なっ」」
霊夢魔理沙が絶句した。キングアトラスは続ける。
「ここまで上手く隔てられた世界は、俺でもリルアでも、『蒼き神王』、『境界の覇者』でも創れないだろう。新しい土地を見つければ手に入れ、開拓する。これは歴史が物語っているだろう? 土地に住む者にとって俺達は侵略者だが、此方の世界からすれば俺達は開拓者だ。なぁ、白夜?」

話の矛先が白夜に向く。
「白夜・・・・・・?」
「聞いてないのか、白夜の裏の顔。こいつは酷いぞ。残虐非道も良いところだ」
「どういう事だ?」
キングアトラスは両手を広げる。
「白夜は最強の武神だ。最強の武神として、侵略者として、あらゆる生命を奪い、あらゆる文明を崩壊に導いたんだ」
「世界を・・・・・・、壊しただと!?」
「ああ。雷雨をかき消し、嵐を吹き飛ばし、天を焼き海を割り大地を蹂躙し秩序に背き、なにより世界を砕いた。神霊というより化物と言われた方が多いだろうな」
「白夜、本当に?」
白夜は暗い顔で、口を開いた。
「・・・・・・ええ、そう。紛れもない本当の話」
「こいつは今も手を組んだと見せかけて、幻想郷を壊す気かもしれない。そんな奴と一緒に居られるか? お前らはそんな度胸があるか?」
一時の、沈黙。
「あるわ」
沈黙を破り、当然の如く霊夢が言った。
「白夜に嘘心が見えないし、一応何度か助けてくれたしね」
「私もだ。借りはいつか返すもんだろ」
霊夢魔理沙・・・・・・」

白夜は、自分に対する二人の反応に心から言葉を失い、静かに感謝する。

「有難う、二人とも。キングアトラス、これが私らの思い。あんたの思い通りにはさせない」
「・・・・・・仕方ないな」
キングアトラスは背の翼を広げ、掌に劫火を顕現させた。翼で飛び立ち、背丈程の小さい陣を展開する。
「此処でお前らを止める。でないと、俺達の此れに掛けた時間が無駄になるからな」
キングアトラスは軽く深呼吸する。


「『劫炎・滅却の宴』」


三人に、炎の弾幕が襲いかかった。

「どうした!!  お前らの攻撃は三人でこの程度か!!」
炎・・・・・・というか劫火の弾幕霊夢の袖を掠る。
「何あれ・・・・・・、こんなに堅い奴初めてだわ!!」
魔理沙も同じような愚痴を洩らす。
「全くだ、三人で攻撃してんのにこれか」
「仮にも神話の主神を倒そうするなら、相応の苦労が有ると思うんだなッ!!」
キングアトラスは二人の愚痴が聞こえたかの様に口を開きつつ、『劫炎・滅却の宴』の陣を解除して更に巨大な陣を顕現させる。


「『天が堕ちる日』!!」


小さな惑星のように丸い弾幕が張られる。サイズとは裏腹に、高速で移動する其れは、一発で巨岩を砕く威力を秘めている。
「鬱陶しい攻撃ね・・・・・・『絶天符・マグマオーシャン』!!」
白夜は付近の弾丸を飲み込む溶岩の滝を召喚し、弾幕を凪ぎ払う。キングアトラスへの道が開くと、即座に次のスペルカードを掲げた。


「『平天の拳』!!」


白夜の拳から紅の色をした弾幕が召喚され、キングアトラスを狙ってばらまかれる。しかし、キングアトラスは何事もないようにスルスルと回避し、次のスペルカードを取り出す。
「ほら、次いくぞ!! 『天下劫滅』!!」
広範囲に、それこそキングアトラスを中心とする花火の様に劫火の弾幕が張られる。霊夢は寸でで回避してグレイズを稼ぎつつ、笑いながら弾幕を張るキングアトラスに言う。
「ても、随分と雑な弾幕ね。これならさっきの雷の奴の方がきつかったけど」
「あぁ、それは私も同感だ」
「ん? そりゃリーザのことか? 何たって俺は殆ど机越しに毎日を過ごしてたんだから、戦闘バカより鈍っているのは仕方g

「『ファイナルスパーク』!!」
キングアトラスの話を無視した魔理沙八卦炉を掲げ、そこから尋常ではない光の束がキングアトラスを狙って放った。
「ふむ、これが人間の技か」
と、手を光に向けるキングアトラス。すると劫火がキングアトラスを守るように顕現し、『ファイナルスパーク』を受け流した。受け流された光の束は遥か向こうの神殿の壁に直撃するが、壁は何事も無かったかのように佇んでいる。最強の壁というのはうそではないらしい。白夜は『ファイナルスパーク』が消滅したのを確認すると、大声で二人に呼び掛けた。
「あと30分か・・・、霊夢!! 魔理沙!!」
「「何よ(だ)?」」
「時間がもう無い、此処は私が引き受けるから二人は先へ!!」
それを聞いた魔理沙は、相談するように霊夢に近寄った。
「あの神様も何だか面白くないし、行くか?」
「白夜には悪いけど行きましょ。軍隊が召喚されたら堪ったもんじゃない」
「決まりだな。じゃあ白夜、此処は頼んだぜ!!」
声を残して。颯爽と広間の奥へ飛んでいく二人。キングアトラスはぼうっと二人を見逃していく。その姿を見た白夜は自然と不思議に思った。
「あれ? 意外とあっさり見逃す」
「ん? あぁ、そりゃこの思惑が失敗で終わるともう悟ったからな」
「え?  何で?」
「この幻想郷に、鬼が居るから」
白夜は呆然とする。
「・・・・・・・、それだけ?」
「ああ、これだけ。まぁ、召喚自体境界の妖怪の邪魔が入るから無理だね」
「へぇー・・・・・・あっさり終了を認めるのね」
「まぁな。・・・・・・だが、この後に確実に面倒な事が起こる。白夜にはその処理に手伝ってもらうからさっさとこっちに来い」
「(戦う前のやる気は一体・・・・・)」

白夜は、キングアトラスに誘導されるがまま、奥の部屋にゆっくりと飛んで行った。


「外から見るよりも広いな、ここ」
「ま、何か変に手を加えてるんじゃない? 香霖堂だってそうだし」
「そうだな・・・・・・お、開けた所にでたな」
神社の、例えるならば本殿の辺りだろう。真上には天井がなく、代わりに爛々と太陽が煌めいている。

この開けた屋外の中心に、正座して祈祷する黒い長髪の少女が一人。頭には大きな角が二本ある。その足元にはかなり複雑な陣が描かれている。
「何か凄い陣だな・・・・、普通、一人じゃこんな大規模な物維持できんと思うが」
「それより、あの祈祷してる子を止めれば、あの召喚は失敗になるんだっけ?」
「多分な」
霊夢魔理沙が来たことに気づいていないらしく、少女は黙々と祈祷を続けている。少女は相当集中しているらしく、凄い量の汗をかいていた。
霊夢魔理沙はとりあえず少女の目の前まで歩いていくが、それでも気付かない。この状態から急に攻撃することは流石に酷いので、霊夢は声をかけることにした。
「ねぇ、ちょっと」
「!! うわ誰っ!?」
声をかけられると流石に気付いた少女。肩をビクンと震わせ立ち上がった。
「私達は異変を解決しに来たんだぜ。私は霧雨 魔理沙だ」
「博麗 霊夢よ」
二人が軽い自己紹介する。しばらく凍っていた少女だが、頭を振って意識を戻した。
「っあ、私はリルア・ヘルヴェル・アルヴィト。この召喚陣で軍を召喚しようとしてる、いわばこの異変の主軸です」
丁寧な自己紹介をするリルア。しかし、ここまで大規模な魔法に精通した鬼なんて聞いたこともなく、霊夢はリルアの頭にある二本の角を見ながら、
「ねぇリルア、あんたも鬼なの?」
と、質問してみた。それを聞いたリルアは、わりと自慢げに答えた。
「ま、鬼に違いは無いけど、この体に流れる鬼の血は6か7割位。他は龍神の血が流れてるよ」
「りゅうじん? りゅうって、竜なのか?龍なのか?」
「龍の方。正式な種族名は『龍鬼』って言うけど・・・・・って」

一瞬の間。

「さっき『あんたも鬼』って言った!?」
今更のように質問返しするリルア。霊夢がその気迫に押されて一歩後退した。
「ええ・・・・・・、それが?」
「その質問は『私の他にも鬼が居る』事が前提の内容!  この幻想郷には私の他にも鬼が居るってこと!?」
リルアは瞳をキラキラと輝かせる。その目には希望が満ち満ちており、純粋な思いが有る。
「あぁ、普通に居るぞ? まぁ地下とか霧みたいだが」
「何と其れは・・・・・・!」
せっかく展開していた召喚陣を解除するリルア。それからぐっと霊夢に迫り、
「この幻想郷で言う『弾幕ごっこ』?  それやろう!  負けたら私、直ぐに他の鬼に会いに行かなくちゃ!」
間合いを大きく開けるリルア。宙を舞い、攻撃の陣を展開する。
弾幕ごっこは基本一対一らしいけど、今回は二人でいいよ?  霊夢達が勝ったらこの異変は終わり。私が勝ったら幻想郷を壊します」
「「・・・・・・・・・・、は?」」

 

 

 

まぁ、よくあるミス。あったら言って下さい、気付いたら即座に修正します。

無いように心がけているんですが・・・・・・。

あと、文章のねじれ、矛盾等。読ませる側として、そうゆうミスはあってはなりませんから・・・・・・って、この件前と全く一緒だ。

乱千天13、予定通り更新、できると良いなぁ。

今日19日。明日に、東方鈴奈庵の二巻が発売ですね。土日にフタバ図書にレッツゴーですね。

ではでは、このへんで。