東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

第四次対天界防衛戦 ~可哀想な宴の神様~

「どうしたサヨリ、わざわざ帝国から幻想郷にやってくるとは。それも『蒼の大陸』の封印を突破って」

「勿論です。これ以上ない急用ですから。この用件なら、正当な理由で此処まで来ても大丈夫でしょう」

紅竜玉神殿の裏にある大神木の麓に展開されている転送魔法陣『世界境界門』が光り出したのを聞いて、キングアトラスは急いで其処に向かった。向こう側から来るといえば、ウアス程度が普通なのだが。当の本人はこっちに来ないと断言していたので、一体誰が来たんだと思ったのだが。まさか帝国軍参謀長官のサヨリがやって来ようとは。

「時間がありません。単刀直入に言います」

「分かった。で、一体何のy

「天界の神軍が、四回目の帝都侵攻を開始したのを確認しました」

サヨリの淡々と告げられた現実に、キングアトラスは一瞬世界の時が止まったかのように思えた。

「何!?」

「敵の数は三十万程度。数はそうでもありませんが、中には高名な神霊がうようよ居ました。それらが前線に出る可能性は低いですが、なにしろ皇帝陛下並びに皇帝補佐、最高司令長官に帝国最強の戦女神すら居ないので、戦力の差が桁違いです。帝国武神群と神討兵器群だけでは到底相手に出来ません」

「それで、一時的に帰還してほしい訳だな? 神殿の連中全員」

「はい、時は一刻を争います。早々に御帰還ください。敵の侵攻は、現在第二防衛線を突破。第一防衛線は壊滅、現状況下での損害不明。帝都以下結界要塞都市群は【真実結界 ~bounds of a sacred place~】の展開開始、同時に帝国全土に非常事態宣言を発令。【退魔結界】【封魔結界】【全知結界 ~The shield of omniscience ~】を展開。常時展開結界【敵索結界】による敵の探知は、ジャミングにより困難です」

「分かった、他の奴らへの報告は俺の眷族に任せよう、すぐに行く」

 

 

 

【真実結界 ~bounds of a sacred place~

帝都を守るべく発案された、帝都から四方にある四つの大要塞都市、その下の四十八と二百二十の要塞都市から集結させたエネルギーを使用、大規模な結界で帝都とその付近五百里を守護する人工結界。最高規模の出力と硬度を備えた、帝国自慢の結界。

【敵索結界】

常時展開し、帝都を中心とした半径千里の状況を知れる探索結界。数や進行方向、高さや大きさ、音まで詳しく知る事が出来る。華翠玉 白夜という最強の戦女神の力の根源『荒魂』から供給される神力から展開・維持される。

【退魔結界】

非常事態に帝都とその周辺三百里に亘って展開される精神結界。帝都に仇を成す邪な心を持った者を退ける、国の魔導士達によって編み出された結界。

【封魔結界】

非常事態に帝都とその周辺三十里に亘って展開される精神結界。帝都に侵攻する百鬼羅刹をその範囲に封じ込めて心身を浄化させる、国の武神と軍神によって構築された結界。

【全知結界 ~The shield of omniscience ~

常に帝都とその内の重要建築物を二重で絶対守護する、全知の鬼神によって創られ、最強の戦女神の力の根源『荒魂』によって維持される結界。帝都に害なす事象や試練という全てを隔絶し、帝都を守り帝国を守護する世界最強最硬の神造結界。

 

 

 

「殿を任せていた第二十三機械化大隊が壊滅! 離脱中の第二軍に敵部隊が襲撃しています!!」

「前線の死傷者多数、救助が間に合いません! 救助に向かった装甲歩兵大隊も全滅しました!」

「前の話も、ここに来てから良い報告が一つも無かったよな」

「良い報告が来る位なら閣下を呼んだりしません」

帝都の皇宮に臨時配置された大本営。そこは『全知結界』が一番強く張られている箇所で、帝国では地下深くよりも安全な場所である。『蒼の大陸』から此処に来るまでかなり時間が掛かり、それまでに何万もの兵士が犠牲になった。

「前に出すのは帝国武神群と神討兵器群。それだけでは足りないので、海軍空軍、帝国航空艦隊も宇宙砲台も全て回しています」

「文字通り総力戦だな。何処にどう回してんだ、部隊を」

「閣下に言っても暖簾に腕押し、糠に釘ですのでお教えしません。というのは冗談ですが、情報網はかなり混乱しています。現在の部隊の配置状況は不明です」

今も、相手のデマ情報らしいものが皇宮に届いている。それらの判断等で大混乱しているのだろう。兵士達が走って情報処理を一秒でも早くしようと奮闘している。

「おいおい、なら武神群はどうだ」

「第一神隊から第三神隊、一番激しい戦場に向かわせています。あの神様達相手を貶していたので、良いお仕置きになるかと」

「戦場にお仕置き理由で向かわせるなよ、全く。ほら、敵さんのお出ましだぞ」

キングアトラスがサヨリに呆れて声を出した後に、皇宮全体に接近警報が発令された。以前、紫やその式が帝都に侵入した時と同じ警報だが、今回は迎え撃つべき相手の脅威度合いがこの前の比ではない。

「北の方角、敵の大隊約三千が接近中・・・・・・、南東からも二千! 西からは五千来ます!!」

兵士が報告する敵の軍勢。数と比較する敵軍の質は、何処の軍隊をも勝るだろう。一人一人が神話に登場するレベルの神霊や天使達。一人来ただけでも常人では傷一つ付けられない。

「三方向か。どのみち全知結界を突破出来るとは思えんが一応撃退する。俺は北、サヨリは南東。西は」

「俺が往く」

そう言って出てきたのは、皇帝補佐の地位にあるリーザ・ヴァルボロスト。その後ろにはリーヤ・テルースとリルア、白夜も居る。アジ=ダカーハは紅竜玉神殿で留守番らしかった。

「分かりました。では皇帝陛下とテルース補佐、白夜殿は此処で待機しておいて下さい。まず先遣の相手を全滅させてから作戦を練り直します」

 

 タイトルから考えてキングアトラスが戦う所になるでしょう。

でも結果はまぁ分かったようなもんだから省略し(黙

 

「さて、報告よりも数が少なく見える。何処かに隠したか、見えないように不可視の術でもかけたかな」

どのみち気配で分かるけどー、とキングアトラスは正面の浮遊しながら接近する敵部隊を見る。キングアトラスから見て右方向、気配は一千程の数、音を殺しながら移動している。キングアトラスには関係無いが。

「さて、遊んでやるのも良いがこちとら行数とかに問題があるからな。さっさと終わらせんにゃならんから。じゃあさようなら」

キングアトラスは右掌に劫火を結集させる。一秒も掛からず集まった劫火を、キングアトラスは野球のピッチャーのように(この世界に野球が存在するかどうかは不明だが)隠密部隊(今命名)に投げつけた。劫火は空間の酸素という酸素を焼却して、コンマ一秒にも満たらぬ刹那の時間で膨大な大きさに膨れ上がる。それは留まる事を知らず、膨れ上がりながら瞬く間に隠密部隊を飲み込み蒸発させていく。

「あいつは・・・・・・、龍神のキングアトラスじゃないか!?」

「確かに・・・・・・、数で押し返せ!」

本隊の天使や神霊達は止まらず、それどころか足を速めて進軍する。その速さは確かに部隊という鈍足とは思えないものだったが、キングアトラスは敵のその行動に嘲笑った。

「馬鹿かあいつ等。目の前で味方が一瞬で殺られたというのに」

キングアトラスはそのまま、双掌に劫火を込めて足元に放り投げる。放り投げられた劫火は忽ち広がり、地平線までを火の海に染め上げた。

「な、なんだ!?」

「はい、終了」

辺り一面に広がっていた火の海。それがキングアトラスが指を建てに動かすと膨張し、天まで届く火柱となって顕現した。その火柱のサイズは、先程隠密部隊に投げつけたものとは比べ物にならない。地平線まで埋める火の海全てがそのまま火柱になったのだ。熱量ではとてもジュール(J)では表せれないだろう。

核熱を遥かに凌駕する一撃は、忽ち敵の部隊を飲み込んだ。飲み込まれた敵部隊は、断末魔をあげながら蒸発する。その最後の断末魔も火柱によて掻き消された。

「ほらもう終わった。なんだ、信仰があれば此処まで力が変わんのか」

キングアトラスは火柱の維持を止めて力をカットする。辺りの草原が急な温度変化による風に吹かれて海のように靡いた。なぜか草原は、キングアトラスの劫火をまともに食らったのに焦げてすらいない。

「リルアめ、景観が大切とはいえ無駄なとこにまで結界を敷いて」

【全知結界】がこの草原を守っている。これではキングアトラスがどのような手段を用いても焦がす事すら出来ないだろう。キングアトラスは辺りを一瞥した後、再び大本営に帰還した。

 

「だから結果は分かってるのに。行数が無駄に減ったろう」

「閣下、誰に話しかけてるんですか」

「ん? こっちの話だ、気にしなくていい」

「はい。では・・・・・・」

二千の敵を撃滅したサヨリは大きな地図を更に大きな机の上に置いた。すると機械的な音が流れ、【敵索結界】で探知された全ての部隊がSF映画のように浮かばれた。

「帝都はこの地図の中心です。敵の本隊は、東に四十里先でノロノロと進軍中です。これを陛下達に、全力で叩いてもらいます」

サヨリは此処で全体へ指示をするって事ね。まぁ作戦として最良かな」

「にしても人任せか」

「はい。この戦術において重要なのは早さです。どれだけ早く敵本隊を叩くか、それによって敵の動きがかなり変わってきますので。白夜殿には『荒魂』を、二十パーセントだけ返還します」

「う・・・・・・、少な」

「おい、無視k

「二割あれば大抵勝てるだろう」

「うんうん、一割でも大丈夫」

「いや無理無理無理!!」

「喧しい、その命令は絶対よ。はいれっつごー」

 

 

(そういう訳で、素早いテルース様と白夜殿は前衛として先に行き、その後ろに皇帝陛下、リーザ様、キングアトラス閣下が後衛として追撃して下さい。敵の士気と戦力を徹底的に削ぐのです)

「って言ってたから、私とテルースが先に行ってるんだよね?」

「そうゆう事だ。他のは基本鈍足だからな」

高速で敵本隊に接近する白夜とテルース。この二人は元々獣から成りあがって妖怪、神霊となった身なので足には自信がある。敵を驚かせ、そのまま大打撃を与える事も可能なはずだ。

「あっちにはどんな自称善神(笑)が居るんだろう」

「(笑)って。まぁ、俺は『高名な神霊が居る』と言われただけだからな。名前まで聞いてない」

「まぁ、相当な奴じゃない限り私達の相手じゃないと思うけどね」

「あぁ・・・・・・・、ん?」

テルースの頭の上にある耳が微かに動く。自分達ではない別の足音が聞こえたからだ。テルースは一度足を止めて、付近の気配を探る。だが、テルースが足を止めた瞬間に有った筈の気配が消える。

「どうしたの・・・・・・って、私も思ったけど」

「分からん、が気にする程度ではないだろう。無視して先に進んだ方が得策だ、気配から考えれば大した脅威ではない」

「ま、そうだね。さっさと行き、っ其処か!!」

白夜は気配を感じ取り、気配があった方向を向いて一気に間合いを詰める。

「天生之拳・・・・・・・!!」

白夜の一撃が気配を放つ物に突き刺さる。最強の戦女神と謳われた白夜は、信仰と『荒魂』が無くとも天地を揺るがす実力を持つ。仮令神話に登場する程の相手であろうと、白夜の一撃は途轍もないダメージとなる。

・・・・・・・・一部を除いては。

「っ、効いてない!!」

白夜は突き刺さった手を抜いて一旦下がろうとする。しかし、それを相手は許さなかった。突き刺さった手を腕ごと掴み、そのまま握りつぶしていく。

「ぐっ、ああああああああああ!!」

白夜は圧倒的な力で腕を握り潰され、痛みに堪えれず叫んだ。

「白夜!!」

テルースは剣を鞘から抜き取り、力を込めて正体不明の相手に切りかかる。テルースの能力は剣を振るい、万物を叩き切るものだ。どのような剛腕が相手でも、切り落とせない筈は無い。

「獅子と狐如きが、私に抵抗しようとでも?」

正体不明の相手が口を開き、白夜をテルースに投げつけた。しかしテルースは白夜を受け止めず、姿勢を低くして回避。そのまま勢いを乗せて間合いを詰める。テルースが白夜を受け止めた瞬間、白夜ごと更なる重い一撃を喰らわせる気でいたと思うが、こう来るとは思っていなかっただろう、

が。

「獅子が無い頭を使って何をする」

正体不明の相手は姿を消す。テルースはその残像を切りつけるだけだった。切りつけた向こうの風景が袈裟に絶たれ、大地が割れる。

「!? 何処に!?」

「上、テルース上っ!!」

白夜が警鐘を鳴らした瞬間にはもうテル―スは圧倒的な力で地面に叩きつけられ、刹那的な時間で気を失った。

「貴様ぁ・・・・・・・!!」

白夜は現在持つ力を全て解放。この後動けなくなるかもしれないがそれは考えない。後衛の皆が此処まで来る前に、目の前の脅威を排除しなくてはならないと白夜は本能的に分かった。力を溜め、瞬きをするより早く正体不明の相手の目の前に、自分の攻撃の射程範囲にまで間合いを詰める。敵がどのような者であろうが、この一撃は回避出来るような暇など与えない。

「『天涯無双』!!」

敵の腹部に、白夜の召喚術「絶天符」の全てを自分の拳と共に叩きこむ。衝撃波はそのまま後方の森を根こそぎ破壊していき、空の雲を一秒も経たずに消滅させる。

溶岩、天雷、氷嵐。自然界で生物という生物を畏怖させる大災害を腹部に叩きこんで、無事でいられるとは思えない。

否、考えたくもなかった。

「狐如きが、私に触るな」

正体不明の相手は片手の指を丸めて拳をつくり、白夜の頭部に上から振り下ろした。白夜は技の反動で抵抗する事も出来ず、まともに一撃を喰らい気絶した。

 

 

「どうやら、【敵索結界】は既に敵の勢力下にあるみたい。大本営には偽りの情報が流れていたよう」

「全知の見解か。だが、この二人が一方的にやられるとは」

リーザは正体不明の相手にやられた白夜とテルースを抱えた。

「俺はこいつ等を撤退させる。治療が必要だろう、一応」

「分かった、頼んだリーザ。この後はサヨリの指示を聞いてくれ」

「ああ」

リーザは足は遅いが力はある。簡単に二人を抱えて飛び去って行った。

「だけど、此処にまさかあんな奴がいたなんて」

「あんな奴? そういえば何者なんだ、そいつは」

「アンラ・マンユ。アジ=ダカーハを生みだした悪神の筆頭神」

「アンラ・マンユか。読者の方々、奴についてはWikipediaで調べてくれ。しかし、天軍の中にこんな大御所が居るとは、そもそも存在意義自体違うというのに」

「さあ? それは分かりかねない、けどキングアトラスは奴を倒さなくてはならない」

「そうだな、俺はマンユの野郎をっておい!!」

キングアトラスは危うく乗せられる所だったとツッコミを入れる。

「惜しい・・・・・・でも、私はそのまま敵の本隊を叩かなくちゃならないし」

「いやいや、俺が行くよりリルアがマンユを相手にした方が確実だと」

「あ、じゃあ一人で、

東洋の帝釈天、北欧のオーディン、西欧のゼウスとアルテミス、あと西海竜王と玄武に麒麟にセマルグルやら四御やらあと斉天大聖とか三相女神etc,を全部相手してくれるのやったありがとう楽になr

「いやいやちょっとまてい!! 本隊にはそんな化け物共が百万鬼夜行してんのか!?」

「無論よ。百万神昼行してるこの神群をどうにかできる? 勿論一人で」

「・・・・・・・無理」

「でしょ? だからマンユお願いね~」

リルアはそう言い残し、気配すらも残さないスピードで文字通り消失した。

「くっそめんどくせ。俺は信仰の量が身体に馴染んでないってのに、リルアなんであんな早く身体が動くんだよ」

キングアトラスは言い捨てつつ、目を閉じ精神を集中させる。アンラ=マンユという、強大な気配を全力で探す。だがこの樹海にそれらしい気配は見当たらない。如何に気配を隠していてもあの実力では隠しきれない。必ず漏れるはずである。この付近には既に居ないと考えていいだろう。莫大な力を持ち合わせて枯れ葉のような気配にまで抑える事が出来るのは、ウアスの右腕の他に居ない。

「しかし何処へ行ったのか・・・・・・、普通に考えれば帝都襲撃だが」

帝都には全知結界が張られているから防備に問題は無いだろう。仮に攻め込まれても、チート能力行使第一人者のサヨリアルカディアが居るから大丈夫だろう。

彼女は氷結凍土と境界を操れる。百万の大軍が侵攻してこようが、世界の境界を弄って隔絶された世界に敵軍を一方的に放り込む事が出来る。戦争でこれほど有利な能力は無い。数が多くても少なくても、攻略法を知らない者が相対していいものではない。

「探すもの面倒だな。というかこの樹海が邪魔。自然破壊になるが、ここは樹海を一掃するか」

キングアトラスは右手を軽く払う。すると眼前の青青しい樹海が瞬く間に焼却された。その業火は樹海全体に伝染し、みるみるうちに樹海が焦土と化していく。

「これなら見やすいな。さて、何処だ」

改めて意識を周囲に集中させる。樹海の磁場が邪魔だったがそれが消滅していってるので、先程よりも索敵距離が飛躍的の伸びている。キングアトラスは静かにアンラ・マンユの姿を探していく。だが、遠くまで見つめても見当たらない。キングアトラスはとりあえず諦め、瞳を開いた。

そこに、目の前に、マンユは居た。

「ッ!?」

キングアトラスは咄嗟に後方へ跳躍する。マンユの振り上げていた腕はキングアトラスが先程まで居た所に振り下ろされる。大地は瓦のように叩き割れ、地下深くの地盤すらも砕かれる。

「危ない、なっ」

キングアトラスはマンユに向かって指を鳴らす。すると指から火の粉が放たれ、マンユの眼前で火力が膨れ上がった。業火はマンユの全身を包み込んでいく。

「嘆かわしいぞ、蜥蜴」

マンユは業火を振り払う。業火は火の粉に戻り、火の粉は灰の如く吹き飛ばされていく。

「蜥蜴って。確かに龍神だが表の顔じゃねぇから正しくはないんだがな」

キングアトラスは更に下がりつつ、先程の炎とは桁違いの威力を持つ業火を放つべく力を溜める。だがマンユはその隙を与えずに間合いを詰める。

「早っ!?」

キングアトラスは接近するマンユに向かって業火を放つ。マンユはその炎を気にもせず突破し、キングアトラスを掴みにかかる。キングアトラスは身体を捻って強引にそれを回避する。キングアトラスの後ろにあった、キングアトラスの業火にも耐えた樹齢三千年を超えるであろう大木を掴んだマンユは、申し訳なく大木を握りつぶしていく。大木の質量を支える幹は大半が失われ、轟音と共に倒れていく。

「うわ凄い怪力・・・・・・手の大きさと幹の太さがかみ合ってない無いのに」

「次はお前の身体だ」

マンユは再びキングアトラスとの間合いを詰める。キングアトラスは先程とは逆に、高速でマンユに突っ込んで懐を通過し回避。と同時に背後をとれたので、規格外の劫火を召喚した。

「『劫炎之宴』・・・・・・、燃え尽きろ悪神!!」

仏話に伝わる劫火とは、世界を終わらせるというあらゆる概念を滅ぼす必滅の炎。キングアトラスの炎はそれではなく、物質界・精神界双方に存在する万物を焼き尽くす神の炎である。それは先程の神々と同じく、たとえ概念が権化する存在の頂点に君臨する神霊であっても例外ではなく、ありとあらゆる神霊を無効化する。

「だがそれは当たらなくては意味がない。背後から来ると分かっていれば、そして私のような素早さを持っていれば回避は容易」

「は!?」

マンユは更に逆。キングアトラスの背後で、既に拳を振り上げて・・・・・・・否。

その拳を、キングアトラスの背中に叩きつけていた。

「が・・・・・・・・・っ」

キングアトラスは受け身を取ってダメージを最小限に抑える。だがマンユはそれで止まらず、大きく踏み込んで更に追撃の一撃を加えていく。

「痛っ・・・・・・くそっ!!」

キングアトラスは吹き飛ばされながら、双掌に劫火を集める。先程空振りになった劫火も圧縮させ、双掌から湧き出る劫火は地獄絵図を思わせる程までになる。醸し出る劫火は周囲の空気すらも焼却し、地面すら放熱だけで溶解させていく。劫火という熱量ならばあり得るが、これを当てればマンユですらタダでは済まないだろう。

キングアトラスは自分が今出せる最高の速度を持ってマンユに突撃を仕掛ける。信仰による力の増幅はまだ完全ではないが、それをチンタラ待っていると此方がやられてしまう。キングアトラスは流星の如きスピードでマンユに迫る。

「喰らえッ!!」

マンユはキングアトラスの猛攻を鼻で笑い、それを遥かに上回るスピードでキングアトラスを背後をとる。キングアトラスは無理に身体を捩ってそれに対応し、マンユの猛烈な一撃を回避し、双掌をマンユに叩きつk

「遅い」

マンユは更に早いスピードでキングアトラスの背後を取っていた。キングアトラスは直ぐそれに反応し、身体をもう一度捩って宙に浮いた状態で双掌を当てようとする。だが、マンユはキングアトラスの双掌を弾き飛ばし、首を掴んでそのまま大地に叩きつけた。

「ぐふっ・・・・・・・!」

「鈍重にも程がある。これで三人目」

マンユは左手でキングアトラスの首を絞めつつ、右手を振り上げる。キングアトラスですら足掻いても脱出できない怪力、それを顔面に受ければひとたまりもない。

「ど、けッ!!」

キングアトラスは口から龍の息吹を思わせるように劫火を吐く。だがマンユはそれに一切動じない。マンユは黙ったままそのまま腕を振り下ろしー

突然飛来した超弩級の金属槍がマンユの右腕を掠め妨害した。マンユは問答無用に腕を振り下ろすが、槍が掠めたお陰で若干照準がずれ、キングアトラスの右頰を掠る。

「誰だ」

「『黙示録十三章・宵月破拳』」

捉えれない程の神速で間合いを詰めた一つの影が、マンユの身体を吹き飛ばした。マンユの身体は焦土の遥か向こうまで滑空する。影は銀色の髪を揺らし、大きな九尾を震わせて調子を合わせる。

「白夜・・・・・・倒れたんじゃないのか」

「荒魂を半分返してもらった。マンユを討ち取るなら余裕」

「そりゃ良かったな。じゃそのまま奴を倒してくれ」

「無理。あいつ、あのまま私の目視圏内から脱出した。索敵結界からも逃げ出した」

索敵結界は白夜を中心に周囲千里の物体を感知出来るものだ。一瞬にして千里を超えたというのか。マンユなら可能なのかもしれないが、あまりにも早すぎる。白夜相手に不利を悟ったのか。

「リルア孤軍奮起して天軍本隊を全面撤退させた。まぁ楽だったと思うけど・・・・・・、これで暫く時間に余裕が出来る」

「そうか、なら帝都に戻ってサヨリの優秀な指示を受けるか」

 

 

 

「もう帰って大丈夫ですよ」

「は?」

「HA? じゃありません。二言はありません、さっさと幻想郷に帰って下さい」

サヨリは帰ってきた一同に、いきなりこの言葉を浴びせた。皇帝、軍の最高司令長官、戦女神に向かってである。

「貴女達が此処にいては国が荒れます。間違いなく荒れます。皇宮が無くなります。だからこの国は今しばらく私達に任せて幻想入りしてきて下さい」

「これって私達を邪魔者扱いしてるんだよね。一国の皇帝に、というか仕えてる人に」

「確実に邪魔だと感じてるんだろうな。ストレスが溜まってそうだ」

「確実に溜まってます誰のお陰ですか。蒼の大陸に世界境界門を設置したのでしょう? さっさと行きなさい、次は帝都が吹き飛びます」

「邪魔者っていうか問題児としか認識されたない気がするわ」

こうして第四次の防衛戦は無事に勝利を挙げたのである。

 

 

「そういや今回、俺とテルースの扱いが酷かったよな。妙にボコボコだった気がするが」

「弱いね。二人とも」

「「はぁ!?」」

「可哀想に・・・・・・合掌」

「死んでねーよ」

 

 

文字数が半端じゃない。9500を突破しています。まぁ二日は此処に来れないのだから、この位の文字数を持つ小説を事前に投稿しておくべきですよねきっと。

報告でお伝えした通り、二泊三日の野外活動に行って来るのです。なんだか行った事がありそうな所に。面倒だなぁ。

だから長い小説を投稿したのですが。東方二次小説でない事は御免なさいとしか言いようが有りません。たまにはこうゆう形で投稿したいとおもうんですよ。

9750文字・・・・・・、書き過ぎると投稿出来ないかもしれないので、ここで話を切っておきます。報告の記事を見て、詳細をご確認下さい。詳細も書かれてないかもしれないけど。いや書かれてないけど。

では、このへんで~。