東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

東方白昼夜 ~繋~

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「白夜、貴女が行った行為の数々。私が八雲紫以下有力な妖怪、神霊と結んだ講和条約を破っています」

「・・・・・・・・・・・・・・・・はい」

紅竜玉神殿、本殿。以前一度全壊したが、今は元の荘厳な雰囲気を醸し出している。だが、一人の吸血鬼がその荘厳な雰囲気を台無しに、寧ろ殺気を出して台無どころか雰囲気を害している。

蒼い吸血鬼。『理想郷』の名を持つサヨリアルカディアが、久々に幻想郷に来ていた。この吸血鬼は、以前幻想郷を襲った『絶天異変』において、最後の問題処理を任された『向こう側の世界』に住む政治・軍事の高官である。

座らせられているのは、華翠玉白夜。つい最近、太陽に似た物体を召喚して白夜(自然現象)を起こして幻想郷に迷惑を掛けた馬鹿野郎。

講和条約には、『今後帝国、それに賛同する者は幻想郷への侵略行為、及びそれに該当するものは一切禁止する』とあります。白夜が行った行為は一体何に該当するでしょう?」

殺気を醸し出しながら問うアルカディア。その問い一つで、神殿全体を背筋が凍りつく程の冷気が覆い尽くす。但の人間なら身震いでは済まないレベルの冷気だ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして、侵略行i

「もしかしてでなくても侵略行為に該当します。この侵略行為というのは帝国軍事法に準していますので、立派な違法。幻想郷では『違反』になります」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」

アルカディアが幻想郷に入ったのは昨日。情報を整理し、明らかに白夜に非があると判断したのは幻想入りしてわずか一時間。最初は元凶であるリルアに非があると考えたアルカディアだったが、その後の暴挙を考えると白夜が悪いと判断された。リルアは軽く三時間程度の説教で済んだが、白夜はその後半日以上、ずっと説教になっている。その説教も、今や山場となっていた。

「白夜はこの件について、どう反省してるのですか?」

氷点下まで落ちていく気温。アルカディアの笑顔は風見幽香と同じカテゴリーだ。この吸血鬼に笑顔程怖い表情は無い。

「・・・・・・・・・・・今後一切同じ事が無いように尽力しm

「甘い」

白夜が必死に考えた反省文を、アルカディアは一言で切る捨てる。その際白夜の心も真っ二つに切り捨てられた。

「そのような反省、また同じ事が起きると相場は決まっています。リヴェン様もリルア様もずっとそのような反省、最早聞き飽きました」

アルカディアが淡々と述べる。白夜は最早猫に睨まれた鼠の状態である。油断すれば涙腺が崩壊する。最強の戦女神たる白夜にも、同僚で苦手な人だって居る。

アルカディアは帝国内では武神という顔もある。その時点で白夜の同僚となるが、数多存在する武神軍神の中で白夜が最も会いたくないとしている人だ。戦闘に関する能力についてはアルカディアも凶悪だが、白夜には劣る。だがその高速回転する頭脳こそが、白夜が一番苦手と感じる理由だ。

「どのような刑罰を与えましょう。個人的にはどのようなものが良いですか?」

恐ろしい笑顔。選択の余地を与えてくれているように見えるが、このアルカディアの場合はそれではない。

『お前がどう言おうが刑罰はもう決まっている。どう答えても結局泣く事になるぞ』

これでは選択でも何でもない。形式的に言うだけの代物だ。無駄の真骨頂だ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・えっと、

「そうですか、とりあえず永久凍土の中で煉獄に焼かれますか。良いでしょう、それが貴女に与える刑の中で一番有効だと思えます」

「っ!? それだけはやめて!」

永久凍土。アルカディアが能力らしい能力として操れる、最悪の自然環境の一つである。歴史すらも凍結する環境下では、神霊は大した活動を行う事が出来ない。凍結してしまえば外部の力無しに外へ逃げ出る事はありえない。

煉獄。簡単に言えば恐ろしい程熱い火である。これも異常な火力を持って全ての生命を根絶する。神霊といえその中に身を投じれば無事では済まないだろう。まして今の白夜は妖怪よりの神霊だ。これでは命も危ない。

「そんな所に投獄されたら私の命g

「問題ありません。私の予測では、貴女は卑劣極まりない手段を幾つも使用してその場を切り抜け脱走すると考えています。永久凍土や煉獄の一つや二つ、貴女の逃走手段の前では大したものではないでしょう?」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!! そんな事ありませんよ!!」

白夜が全力で否定する。まぁ、アルカディアが指摘した点の殆どが正解だ。永久凍土と煉獄の中に投獄されたら、即刻絶天符を解放して『アルマゲドン』をもって全てを薙ぎ払うすもりでいた。そんな事をしなくては本当に根絶されてしまう。

「まぁ、貴女への対処法についてリヴェン様が、多少考えてくれました」

「リヴェンが?」

リヴェン・キングアトラス。紅竜玉神殿の主祭神で、絶大な力を持つ神霊だ。神殿の出費の四割を任され、常に神殿の懐を赤字に追い込む事が得意な駄神である。

駄神という事については、白夜も引けは取らないが。

リヴェンは頭は回るが、神殿では大体の確率で酔っ払っている。そんな奴が自分への処罰を考えたなんて思いたくない。まともな答えだと思えない。だからといって、アルカディアが話に出す位だのだから、結構まともなのかもしれない。

白夜は恐る恐る聞いてみた。

「・・・・・・・・・・・・・・どんなの?」

「追放です。この紅竜玉神殿から、問題分子は排除せよと」

「はいぃ!?」

それではミカンと同じではないか。確かに問題分子は、命を奪わない手では一番手っ取り早く追放するのが有効だ。「あとは自分でどうにかやってくれ」と追放した側は言える。だが、まだ住み慣れていないこの土地で追放とは、もはや餓えて死んでくれと言っているようなもの。道に生える植物や地に生きる動物の、どれを食べれてどれを食べたら腹を壊すかも分からないこれなのに。

「それは、私が路上で屍になる事を承知で!? これでも一応帝国の最強個体戦力だよ!?」

「貴女が居なくても、戦術を変えればどうにかなります。安心して死んで下さい」

「死んでたまるかっ!!」

精一杯の反論をする白夜。だが、アルカディアとの討論で白夜が勝てる見込みは一切無い。白夜が戦闘に抜きん出ているように、アルカディアは頭脳に抜きん出ている。頭まで筋肉の白夜では不可能と言って等しい。

「まぁ、永久凍土と煉獄の刑よりはマシでしょう。どうせ逃げ出すとは思いますが」

白夜の考えを射ぬくアルカディア

「こちらとしては追放の方が楽なのです。それとも永久煉獄の刑より非道な刑をご用意しましょうか。用意が面倒ですが、貴女の行動が多少マシになるのなら用意してみせましょう」

アルカディアが考える永久凍土と煉獄の刑より酷い刑というのは、単に白夜の身体への罰ではない。それは白夜の家族にまで影響したり、白夜の大切な個人情報を意図的に漏洩させたりする事である。これは体罰よりも厳しい。蒼咲を筆頭とした子どもにまで悪影響が出るとは、それだけは嫌である。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・卑劣な」

「卑劣で結構。貴女も私に多大な迷惑を被っているのです。こうでもしないと貴女言う事無視して自由奔放に暴れ回る暴力装置となるでしょう?」

「ぐ」

全くアルカディアが言う通り。命令を幾度と無く無視し、自由に暴れ回ったのは事実だ。既に暴力装置と化していると言った方が良い位。

こうなっては反論の一言も出ない。出た所で一言で論破されるだけ。

「分かった分かった、追放されてあげるから私の子どもには手を出さないで。出したら同僚でも許さないわよ?」

「当然。私も相手が追放を認めて、その人へ悪影響を出させる程卑劣ではありません。貴女の子どもは引き続き、華散郷での安寧は保証します」

「有難う。じゃあ私は、さっさと自分の荷物を纏めて出ていきますか。って自分の荷物なんて無いけどね」

白夜は正座の姿勢からよっこらと立ち上がった。そして本殿とは逆方向、参道の更に向こう側を見る。

「もう行きますか。アジ=ダカーハに最後の酒を用意する位許しても良いですが」

「いいわ。さっさと今夜寝る場所でも探さないといけないから」

「中々頭が回りますね」

「五月蠅い、そんくらいは考えれるわよ。じゃあ他の奴らに報告頼むわ」

そう言い切って、白夜は参道の向こう側。神域の外側へ出ていった。アルカディアはその背中と尻尾を見送り、白夜の姿が見えなくなるとう~んと背伸びをした。

「やっと一番面倒な仕事が終わりました。説教はどの位やったのか・・・・・・・・・・、うわ半日も経ってるじゃないですか。これだけ時間があればたまった仕事が一掃できたのに。毎回問題を発生させるこの人達、どうにかならないものなんですか」

帝国参謀長制服のポケットから一つの機械端末を取り出して残っている仕事を確認する。改めて見ると、処理が面倒なものばかりだ。思わず溜息が洩れる。

「あ、ディア。どーしたの? 白夜への説教は終わった?」

本殿の方から歩いて来たのはリルア。アルカディアがリルアへの説教が終わった後、早々に寝てしまったと聞いている。寝起きで神官としての気品も鬼神としての気品も皇帝としての気品の何も感じられない。

「皇帝陛下。はい、先程白夜に追放命令を下し、そのまま白夜は出て行きました」

「そ。まぁこんな狭い幻想郷なら、また直ぐに会うだろうけど。ディアは何時まで此処に居るの?」

「とりあえず、説教で発生した仕事を此処で終わらせて一息つくまでは。その後帝国に帰還し、事の詳細を纏めます」

「仕事熱心だねー。感心するわぁ」

「滅相にもありません。これ位は当然の事」

アルカディアは敬礼する。愛称で呼ばれているが、上と下の位の差は歴然だ。仕える者として仕事を全うする事は当然。帝国上層部では、それすら出来ない者が数多く居るだけだ。

「私はもっかい寝るから、神殿周りの掃除をお願いしても良い?」

「了解しました。一刻程で終わらせるので、暫くお待ちを。その後アジ=ダカーハに食事を用意させます」

「お願いねー。じゃあ」

あくびをしながら歩き去っていくリルア。その背中は以前、最強の戦女神を退けた一人の少女のものとは思えない程華奢だった。

「さて、掃除が終わったら幻想郷中にお詫びの一言をいれなければ」

アルカディアはそう言い切り、早速掃除の為の箒を探す為神殿の中を散策するのであった。

 

 

 

 

 

「あれ? 此処何処?」

かくして、白夜は現在放浪絶賛遭難中である。

 

 

 

 

 

 

 

白昼夜終わり。白昼夜って、高校生になって初めて書き始めた最初のシリーズ小説だった。書き始めたのは4月25日かー。4ヶ月位ずっと引きずってきたんだ、そう思うと結構長い間やってきたと思う。

次回のシリーズ小説、吸血鬼オリが出てくるぜって報告してたやつ。

よくよく考えれば、アルカディアだって半分は吸血鬼なんですけどね。

 

【日喰異変】

 

とだけお伝えしましょう。HA? また天体まで入って来るのかよ。また太陽?舐めてんのか。まぁそこは許して下さいよ。

と言っても、頭の中でもちゃんとしたプロットが完成していません。主犯位しか判明させてませんし、そんくらいしか考えてませんし。レミリアとかフランを登場させる予定すらも立ててませんし。来週から始まるかすらもわかりませんし。

まぁ報告出来る事といったらこの位ですね。

ではこのへんで、また新しい異変でお会いしましょう(当然、その新しい異変が始まるまでにも記事は更新しますが)。