東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

日喰異変 ~東方陽蝕昼~ Ⅴ

フランにディスピアとかいう悪魔を任せ、魔理沙レミリアは再思の道を外れた方向を進んでいた。霊夢が残した御札が、目的地への足がかりとなっている。

霊夢が目印を置くなんて珍しいよな」

飛ぶだけで結構暇な魔理沙が一言呟く。それにレミリアは簡単な返事をした。

「ここらへんは同じような風景が続いてるし、要らないんじゃない?」

「いや、あいつ自覚してる位勘が鋭いじゃないか。行きも帰りも、勘で行けば何とかなるのがあいつなんだ。そう考えると、今回は異様だな」

魔理沙は自分の中で勝手に結論付けた。レミリア魔理沙がウンウンと隣で頷いているのを適当に見ながら、次なる御札を見つけてはその方向に進んでいく。

 

どの位経っただろうか。恐らくカップラーメンとかいう即席の食べ物が完成する程度の時間は経っただろう。

「此処が我が同胞と、霊夢が居る地か」

魔理沙レミリアは、今回の日蝕異変の主犯格が居るであろう城に辿り着いた。

武骨だが荘厳。中世ヨーロッパの城そのものだ。絳、緋、紅、灰色だけで外観の色調が構成されている。目の前の門を含め、高い城壁が周囲に建っており地上からの侵入を一切許さない。

外から城内部の建物で見えるのは、高い城壁を更に超える天守の姿。恐らく、その天守の上の方に主犯が居るのであろう。

「ここらへん、霊夢が暴れ回った跡が残ってるぜ」

城壁付近には大小様々なサイズのクレーター。日頃此処がクレーターだらけとは考えにくいので、此処で弾幕ごっこが行われた可能性が非常に高い。城壁そのものにもヒビが入っている。

「じゃ、早速入るか」

「いや。ちょっと待て」

魔理沙がミニ八卦炉を取り出したと同時に、レミリアは手を出して魔理沙を制する。レミリアは城壁の上側、矢倉のように出っ張っている所を見た。

「誰か来るぞ」

「何者だ!」

城壁から此方を覗く影。その人物が現れたと同時に、深い霧が城を覆っていく。

「今は博麗の巫女の対処に追われているんだ。立ち去れ」

「私(魔理沙:「達」)はお前達の親玉に会いに来たんだ。お前が消えろ」

「何?」

城壁の女性はレミリアを凝視。やがて、訪問に来た二人のうち幼女が吸血鬼だという事を悟る。

「大公閣下と同じ貴族か、だがどのみち此処は通せん。大公閣下には誰も入れるなと言われているからな。フェル! 私と来訪者を迎撃だ!」

城壁の女性は、大声で城壁の向こう側。すなわち城内に命令を下しつつ、懐からスペルカードを取り出した。

 

「大弾『弾幕ミスト』!」

 

城壁の女性から、弾幕が放たれる。魔理沙レミリアは飛翔し、回避を開始した。小型の弾幕の後ろに大型の弾幕。一見、回避が楽そうな弾幕である。

「余裕だな。ところでお前は誰だ?」

小説を書く側としては、いちいち「城壁の女性」と表現するのは面倒だ。アリガトウマリサ。

「私はユミエルヌ・デンスファグ。そして向こうから来るのはフェル=カーナヴァン=メディチ。私もあいつも、大公閣下に仕える悪魔だ」

「向こう?」

魔理沙がユミエルヌの、城の向こう側を見た。確かに一つの人影がこちらに接近しているような。

 

「外科『死を呼ぶ執刀』!」

 

向こうから接近してくる少女が、スペルカード宣言。ナイフの弾幕が、レミリア魔理沙、そしてユミエルヌに降りかかった。

ユミエルヌにも、降りかかった。

魔理沙は無表情でナイフの弾幕を避ける。味方である自分も狙いの中に入っていると思っていなかったユミエルヌの後頭部に、ナイフを模した弾丸が刺さった。

「・・・・・・・・・・・・・・・痛」

「ユミエルヌ伯爵! 応援に来ました。ささっと来訪者を追い出s

「先に私に謝らんかいッッッ!!!」

ユミエルヌは前に出ていたフェルの後頭部をグーで殴った。鈍い音が辺りに響く。

「痛いです伯爵」

「五月蠅い。自分の腕と考えに猛省しろ。お前は向こうの吸血鬼を頼む。私はこの人間をやる」

「うー、了解」

フェルと呼ばれた少女は、レミリアが浮く方向へ足を運ぶ。ユミエルヌはその背中を見る事無く、魔理沙と対峙する。

「私も名乗ったんだ。お前も名乗れ、それが礼儀だろう」

「伯爵って貴族の爵位だろ?」

「聞け。確かに、伯爵は爵位の大体上から二番目だ。では私の質問を答えろ」

「私は霧雨魔理沙。普通のマジシャンだ。早速だが其処を通させてもらうぜ」

「良く言ったな人間。私、濃霧の悪魔を討伐出来るのならしてみろ!」

一気に間合いを開けたユミエルヌ。それと同時にスペルカードを取り出した。

 

「森林『バイエルンの神隠し』!!」

 

霧のように細かい粒のような弾幕魔理沙を襲った。