東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

日喰異変 ~東方陽蝕昼~ ⅩⅦ

「フランドール姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

「フラン!」

完全に忘れて去られていた。覚えていたのはレミリアだけと言っても過言ではない。

「貴女がお姉さまが探してた吸血鬼?」

フランは首元を掴んでいた、というより首を輪切りにされて首の断面部分を持っている一人の悪魔の成れの果てをティユエル王の方に投げつけた。成れの果てが地面に叩きつけられる。

「ディスピア伯爵? どうした、その失態は」

喋りかけても返す言葉は無い。それは当然だ、頭部が無いのだから。そのかわりにティスピアは右手でゆっくりと小さくピースサインをして存命を伝えた。元々悪魔であり生命力と再生力は秀でるものだが、ディスピアの場合は学術的観念から生まれた悪魔である。物理的攻撃は性質・能力共に相性として耐性は高い方だが、此処まで蹴散らされたとなるとフランの攻撃が如何に猛攻だったかが伺える。

「貴女のせいでお姉さまと遊べないの。だから死んで」

フランは再び、ティユエルに向けて右手を挙げた。先程の霊夢達とティユエル王の立場とは逆転している。ティユエル王は反撃の動きすら見せず、フランは右手を握りしめた。

「やっぱり、何かに邪魔された。さっきと同じ」

フランはレヴァーテインをモチーフにした赤い剣を振り上げ、ティユエル王に肉薄する。ティユエル王は片腕だがその王威は消えるどころか増加している。右袈裟に振り下ろされるレヴァーテインをダ―インスレイヴで受け止め、返す刀で的確に、フランを左腕を振り上げる刀で狙う。フランはそれを弾き返すが体勢を崩され、ティユエル王に首元を掴まれレミリアの方に投げられた。レミリアは飛んできたフランの身を小さな身体で受け止める。

「よくこの不自然さを見抜いたな、褒美に教えてやろう」

ティユエル王は頭の上に乗っかっている王冠を指差した。王族だけが被れる王威溢れる王冠だ。外の世界でもここまで精巧かつ美しい物となると数少ないだろう。

「この冠は統領家にだけ与えられる王冠だ。その効果は、同族の血が流れている者からの能力的な攻撃を間接的・直接的なもの両方を無効化するもの」

統領家として、反乱を受ける可能性は何時でも秘められていた。その有事の際に活用され、鎮圧に使用される王の冠。吸血鬼であるフランの能力が無防備状態でも通じないのはこのアイテムによる。

「だが、さっき腕が吹き飛んだよな? フランの能力の筈だが、何故それは通じたんだ?」

「? 教えてやる義理があると思うのか?」

刀の切っ先をフランに向けたティユエル王。ティユエル王の能力が発動し、フランは血反吐を吐いた。何事かと咳込むフラン。

「気を付けてフラン、あいつは相手の血を操作出来る」

と言っても、フランには半分も理解出来ていないだろう。伝えるだけ伝えたし、霊夢は良しとした。

「ねぇ霊夢、私に良い策があるんだけど」

「へぇ、レミリアが? 何時も出しゃばるようなあんたが、で何?」

「それは、」

レミリア霊夢に話そうとした時、ティユエル王の攻撃が二人を襲った。大小様々な大きさの弾幕レミリア霊夢付近に直撃する。その攻撃により、二人は分断を余儀なくされた。

「仕方ない、私の指示に従って!」

「気に障るけど、乗ってあげる。魔理沙も良い?」

「合点だぜ!」

「包囲!」

魔理沙はガッツポーズと共に大きく旋回。霊夢も逆方向に旋回し、フランはティユエル王の背後を取る。レミリアはティユエル王の正面に居、実質的にティユエル王を包囲した形になった。だが、包囲の形も俊足のティユエル王にはあまり効果は無いだろう。やろうと思えば誰かの背後を取るのは容易。だがこの状況なら、全周囲に散弾をばら撒き出方を伺い、各個に命を奪える。ティユエル王は早速弾丸をばら撒き、四人に回避行動を取らせた。

だが。

「(包囲の形は崩さない? 何が目的か)」

包囲はやろうと思えば容易に突破出来る。あえて突破しないのは各個撃滅の為だ。少なくともティユエル王自身はそう信じている。

信じている?

「これは、」

ティユエル王は勘付く。だがレミリアの号令より一足遅かった。

 

 

「一番強い攻撃を!! 穿て、スピア・ザ・グングニルッッッ!!!」

 

 

霊夢が陰陽鬼神玉を。魔理沙がダークスパークを。フランは巨大化したレヴァーテインを振り下ろす。だがその全ての攻撃を、ティユエル王は捉えている。王のスピードでなら回避すらも容易だ。寧ろこれは人間二人の命を奪う好機と考えても良い。ティユエル王は前に体重を乗せて、

 

「!? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・避けれな

 

四つの攻撃が、ティユエル王に直撃した。