東方物語録 ~東方二次小説置場~

『堕華(おちばな)』っていう馬鹿が小説を公開してる所です。不定期でない程度に不定期。

帝国と、神霊について。アルカディアのご教授願います

「其処に着席」

「あ、はい」

私は八十島 介渡。ここ最近に、この『ヘルヴェル帝国』の首都、帝都『アグニセスラータ』に移り住んできた。一緒に私が立ち上げた『コルホスΣ』も、帝都の第四区(帝都は大きな樹の下の方で、キノコのように発展している。感覚的に言えば、

大体こんな感じだ。区数の数が小さければ小さい程高所に存在し、その中でも私達は第四区(エベレストと同じ位の高さらしい)の端っこで、帝国軍から通達される依頼をこなしたりしている。

だが、私は今『コルホスΣ』のギルド支部に居ない。帝都第三区にある『帝国軍総指令部』と呼ばれる軍事の最重要拠点の、二階にある会議室みたいな部屋に居る。その部屋に居るのは、私を含めて二人。そのもう一人というのが、

「何独り言言ってるんですか? 病みましたか、そうですか」

セイジ=幻=アルカディア、と呼ばれている彼女だ。見た目は少女、というよりかは若い女性と言える。深く蒼いロングヘアーにあほ毛癖っ毛が生え、帝国軍でも高い地位を示す黒い軍服。胸と肩の勲章が示すのは、『参謀長官』という軍ナンバー2の町実力者である。

今、そんな美女と呼ぶしかない彼女と部屋で二人っきり。

「二人きりだからって変な真似をしたら、どうなるかは分かっていますね?」

「ゴメンナサイ」

以前、華翠玉 白夜という名の馬鹿野郎と喧嘩した時に仲裁したのが間違い無く彼女だ。その時、歴戦の柔道のプロすら舌を巻く技術で白夜を叩きのめし、私を笑顔一つで沈黙させ、その後白夜と上司を投獄している。逆らえば笑顔と共にどんな処刑宣告をされるか分かったもんじゃない、そんな人である。

「えーと、私を呼んだのは何故だkk・・・・・・・・・・・・・・でしょうか?」

つい敬語に直してしまった。彼女が此方に笑顔で振り向いたから。まぁ、何かしらの悪意がこもって無かった普通の笑顔だと思う(推量)。

「そもそも介渡殿が呼んだのでしょう。誰ですか、『その土地に住む者として、帝国の歴史とかこの付近とか、この世界のパワーバランスを知りたい。御教授願う』って言ってきたのは。私がリヴェン閣下の仕事をやり終えた矢先に」

最後のは絶対悪意の籠った愚痴だ、と私は確信した。ちなみにリヴェン閣下というのは、軍の立場として彼女がリヴェン=キングアトラス、という名の駄神を呼ぶ時に使う言い方である。

「いやぁ、あの時は私も悪いなぁと思ったんだけd、ですけど」

アルカディアに嫌みか、と告げる笑顔で此方を見てきたのですぐさま敬語に言い直す。

「まぁどのみち貴方には教えるつもりでしかたら、それが早くなっただけの事。これで前置きは置いといて、本題に入るとしましょう」

彼女としては、「ちっ、忙しい時に呼び出しやがって。めんどくせーから早く終わらせるか」と考えているのだろう。いや前言撤回きっと善意を持ってこの場に居るにチガイナイ。

 

「まず、この帝国に触れる前にこの世界について述べておきましょう」

 

と言いながら、アルカディアは部屋の前にあるホワイトボードに絵を描き始めた。帝国の技術力を考えるならば電子系の黒板を使うと思っていたが、まさかのアナログである。特に何も変哲の無い普通のホワイトボードだ。

「この世界は、このバケツが逆さまになった状態の、底の部分にあたります。これを大陸、と呼称しています。そして今我々が居るこの大陸は、ヘルヴェル大陸」

ふむ、と私は理解する。しかし比喩にバケツを持ってくるとは、分かりやすい表現をする彼女である。

「このヘルヴェル大陸以外に確認されたのは、一つですが、それについてはまた後で触れる事としましょう。第一に新参者に伝えなければならないのは、この大陸より外、バケツで言うならば側面部、世界の果てと呼ばれているその場所は、奈落と呼ばれています」

「奈落?」

「これ比喩にあらず、です。大陸部分以外、この世界はどのように成り立っているのか。それを知っているのは皇帝陛下と創造神くらいでしょう」

「ちなみに、底の深さはどの位なんだい?」

「仮に自由落下した場合、落ちながら人間がその寿命を全うしても全然釣銭が出るくらい、と言われています」

は、と介渡は絶句した。そんな距離、瞬間移動でも出来ない限り踏破は不可能だろう。とてもそんな途方も無い距離、想像出来ない。

「奈落は専門の研究部に任せてですね、次の話です」

ささっ、っと割と早いスピードでホワイトボードを消していくアルカディア。字消しを持った腕を上下左右に動かす度に、蒼い髪が慣性の法則の表れのように靡く。

そんな(卑猥な)視線に、アルカディア自身は気付かなかったのは介渡にとって不幸中の幸いだろう。もし判明していたら、今度こそ地下牢に幽閉だ。

樹の幹に発展したこの帝都に、地下牢があるのは少し疑問だが。

「次の話は、この帝国についてです」

「それについては私も興味が有った。是非教えてくれないか」

ついタメ口が出てしまったが、アルカディアは大した卑下の視線を介渡に叩きつける事無く、机の上に用意していた文書を介渡に渡した。

「この帝国、ヘルヴェル帝国は立憲君主制を取っています。半分は絶対主義、半分は民主主義といった所ですね。司法は帝国最高裁判所、行政は皇帝、立法は帝国議会が司っています。権限の大きさを不等号で表すなら、

憲法>皇帝>法律>政令etc.、

といったところですか」

 「帝国と呼んでいるのだから絶対主義かそれに近いと思っていたが、意外と民主主義な面も有るように見える。選挙によって市議会、州議会、帝国議会議員を選定するし、人権保障も確立されている。皇帝というのは本当に行政が出来るのか? 何時も遊んでばかりのように見えるが」

「行政は皇帝陛下に一任されていますが、その権限を皇帝陛下は議長、と呼ばれる六人の行政官に委任しています。その議長の中での長老は、私です」

その言葉に介渡は驚いた。この目の前で社会科の授業をしている彼女は、行政の核であり軍事の核である。よくこんな所で自分を教授出来るものだ。普通なら仕事多忙で寝る暇も無い筈だ。というかそれよりも。

「軍人が行政に携わっていいものなのか? 歴史的に見ても、ロクな事があったとは思えないが」

「信任を頂戴いたしましたから。私の政治牽引を嫌うのならば、選挙や世論がそれを証明してくれる筈です。今がそれが単に無い為、続けてます」

「信任を得ての政治か。なら問題は無いのかな」

国民の大多数がアルカディアを信頼している、というのが現状況らしい。これでは軍の政治への発言力が強まると思うが、アルカディアはそれを許さないだろう。ちゃんと仕事は分けて考えているし、先も見据えている。指導的立場にあるべき人とはまさしくこの人の事だろう。

「詳しく学びたいのならば図書館で勉強して下さい。次に話すのは、貴方達に最も関係する、と言っていい軍事と、帝都付近の土地についてです」

アルカディアは次の資料を介渡に渡した。一瞥してみるとそれは、軍の簡単な編成が記されているようだ。編成自体機密情報だと思うが、この程度であればなんら問題は無いのだろう。

「貴方達コルホスΣとは、第三軍第七師団所属の第二十二大隊が一番連携すると思います。大隊長も呼んでいるので、後で会ってもらいますよ」

「分かった」

「コルホスΣは一応、軍傘下のギルドとなっていますから、指揮系統としては貴方が部隊長として認識、有事の際は第二十二大隊の指揮下に入って戴きます」

「有事の際とは?」

「第二十二大隊が第七師団指揮下で軍事行動を行う時です。そう滅多に無いとは思いますが、そこの所は気に留めてもらいます」

アルカディアはふぅ、と小さく一息つく。机の上に用意されていた水を口に含んだ。

「コルホスΣは、我が軍では規模は一個小隊、軍事的価値は中隊、もしくは連隊に匹敵します。貴方達だけに命令が下る場合も有る。それでも宜しいですね?」

「拒否権は無いのだろう? なら承るさ」

介渡の核心を突いた答えに、アルカディアはふっと小さな笑みを浮かべた。

「それでは次に、帝都付近の土地についてです。基本的にはこの周囲で動いてもらう事も有りますが、もしかしたら海を渡ってもらうかもしれません」

 

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手書きで汚く申し訳ありません。土地名を記載しているのは、大都市か軍事的要衝、名勝です」

「これが帝都の周りか。これは?」

と言って、介渡は帝都付近に点在する棒線状のものを指差した。全体を見通すと、帝都を囲むように存在している。

「これは『境界壁』と呼ばれている、いわば関所ですね。一昔は帝都侵攻に対抗する、いわば万里の長城だったのですが、帝国の領土が広がってからは関所として使用されています。第三区からなら、目がよければ視認出来ますよ」

此処から見えるという事は、境界壁も異常な程大きいのだろう。日照権とか大丈夫なのだろうか、と介渡は思う。

「紅竜玉神殿。此処にあるのか」

久し振りにその文字を見る。今それは別の土地にあるが、地図で見てもかなり広い境内を持っている事が伺える。

「神殿と言えば聞こえはいいですが、本来は神霊を護衛する要塞ですからね。貴方は知らないかもしれません、ここは『神殿結界砲』と呼ばれる攻撃能力と高い防空能力を有しているのですよ」

「へぇ」

確かに、どっかでそれは聞いた事はある。アルカディアはそれに構わず、話を続けた。

「以前制空権は喪失している、と言いましたが、それは大陸外だけです。ここ、ヘルヴェル大陸の制空権は保持しており、それの維持には航空戦力の存在が欠かせません。特にこの、サナピア島とノート島は」

「不沈空母、と書いてあるという事は航空基地なんだろう? 空軍基地との違いはなんだ?」

「単に、遠洋に有るかどうかという事です。遠洋にある方が軍事的に重要なので、これでなら簡単に分かるでしょう?」

確かに。

「この二島は、その更に南東に有る要衝『ヲ島』海軍基地と『東洋艦隊司令部』、『ドレッド空軍基地』『オンホニク』と繋げています。これ無くして南下作戦は成立しません」

「南下作戦?」

「この『ヘルヴェル大陸』より南に位置する『レイ大陸』への南下作戦です。以前は戦線が拮抗していましたが、最近戦況が敵軍に偏り始めている為、この二島は更に重要性を増している・・・・・・・・・・・・とはいえ、今この話は貴方達には関係は有りません。現在最大規模の戦線に投入する事はないでしょう」

だが、今後お世話になるかもしれない。介渡は大陸名や二島の名前をしっかりと覚えた。

「さて、いい時間になりましたし、第二十二大隊が来る筈ですが」

アルカディアがそう呟いて扉の方を見ると、タイミングよく戸が叩かれた。アルカディアは「どうぞ」と、戸を叩いた人物を歓迎する。

「第二十二大隊隊長エレナ=リスターヌ=幻月紗(げんしゃ)、只今到着いたしました」

肩付近で切られた短く白い髪、急所を守るレッグアーマー・レザーアーマー。腰から下がる二振りの刀。そして、

「なんですかこの小さいの」

毒舌と、それを正当化させる長身。アルカディアと並んでもあまり身長差は目立たないだろう。介渡が横に並べば、悲しい現実を叩きだされる事になるが。

「先に話してた、第二十二大隊の指揮下に入る公認ギルド『コルホスΣ』の部隊長、八十島 介渡殿です」

「あぁ、あの時の。これが?」

まさかの『これ』呼ばわりである。初対面の淑女にそう云われて黙って見過ごす程介渡も温和ではない。いや、温和ではないというか、何と言うか。

「失礼だが、帝国には私を蔑む人間が多くないか? 小さいとか小さいとか」

「事実ですけど」

「いや、人に対して遠慮というものが足りていないというか」

「これは、貴方達の噂を流した人物のお陰だと思います」

「それって」

 

 

 

「今度来るコルホスΣってののリーダー、まじでちっせぇぞ!」

「まじか!」

「小さいというか小さいというか、兎に角ちっせぇぞ!」

「「まじか!!」」

「小さい事しか取り柄がねぇというか、他の全ての価値を否定する程ちっせぇぞ!!」

「「「まじか!!!」」」

「で、そいつの名前は何なんだ? 華翠玉白夜!!」

 

 

 

「という話を聞いた事ある」

「よし犯人は分かったボコしてくる」

「良いですが、アウェー戦は不利ですよ。神霊は本拠地が近ければ近い程強くなる傾向があるのですから」

立ち上がる介渡を、アルカディアは静かに宥めた。アルカディアの言葉に嘘は殆ど無い。これを信じるとなれば、彼女らの世界である此処でやりあうのは確かに不利かもしれない。無謀な喧嘩を売る程介渡も馬鹿では無いので、小さく咳込んで椅子に座り直した。

「ところで参謀長、ご報告が」

カシャン、と鎧と鞘がぶつかる音と共に、エレナはアルカディアの方に振り直した。先程の毒舌の時の表情とは違う、真剣な面持ちだ。

「何でしょう」

「大陸防衛線を突破した敵の大部隊が、ヲ島に侵攻しています。各所に張っておいた防空部隊を撃退させつつ。如何しますか」

先程話の中にあった要衝『ヲ島』。それが今侵攻されているのか。介渡は静かにその会話を聞く。

 

「ヲ島の全部隊を撤退させて下さい」

 

断言。その言葉は、要衝の放棄を認めたと同義だ。

「ヲ島はサナピア島、次いで大陸に非常に近いです。此処を諦める訳にはいきません」

「部外者として悪いが、それについては私も同意見だ。そんな事をして良い事があるのか」

「あります」

反論を許さないアルカディアの一言。その目は既に、戦略の幅を広げ軍を勝利に導く参謀の目をしていた。

「一つ、敵大部隊を抑えれる程の防衛部隊をヲ島には配備してないから。二つ、被害を最小限に抑える為。三つ、迎撃に向かわせる部隊の攻撃による、ヲ島防衛隊の被害をゼロにする為。最大の理由は二つ目と三つ目です」

アルカディアは先程ホワイトボードに書いた地図に棒を当て、戦術を説明する。

「敵軍は容赦が無い。毎度毎度残存艦隊に周到な追撃を仕掛けている。だから私達も、決して生ぬるい手を下さない

そして、アルカディアは赤い線をホワイトボード上に書き始めた。

「主力を正面、支援部隊を後方から回して挟撃。敵の補給線を寸断し、敵部隊を右手に誘導して神霊部隊で完膚なきまでに叩き潰す。先程申し上げた事を撤回してすみませんが、今回の主力に第三軍も編成対象とします」

その言葉は、コルホスΣを戦場に出す事と同義だ。確かにこの世界の為に何かやる、とは誓ったが、此処だけの戦争に巻き込まれるのは話が違う。始めたのはこの世界の住人で自分達は関係無い。関与する必要は全くない。

が。

「少し、皆と話す時間をくれ」

「了解しました。こればかりは仕方ないと思います。誰かが死んでも我々はその魂を蘇らせる事が出来る。だが、それが問題で無い事位。じっくり考えて下さい、無理なら別の仕事を任せて編成対象外にしますから」

アルカディアとしては、軍参謀としては少数精鋭で特殊任務もこなせるコルホスΣに仕事を任せたいのだろう。だが、一人の友人としてはそれを許したくない。あれ? 私は彼女と何時から友人関係になったんだ。知り合い程度でなかったのか。

「一つ、質問させてくれ」

衝動的に、介渡が前々から聞きたかった事を、一番まともなアルカディアに聞いた。本当にこんな事を聞いて良いのかとも思うが、今聞かねば聞く機会を暫く失ってしまうだろう。介渡は一瞬出た迷いをすぐさま消し去る。

 

「君たちの目的は、何だ?」

 

世界をぶっ壊すのが目的な奴もいた。

世界を救うのが目的な奴もいた。

仲間を守るのが目的な奴もいた。

自分の世界の二の舞にならないように努力する奴もいた。

なら、彼女らの目的はなんだ?

彼女たちも何かしらも目的と正義が有る筈だ。介渡はこの世界で暫くするうえで、それを確認したかったのだ。だが、これは余計な詮索とも考える。時間を掛けてゆっくりと悟ってもいいと思った。

だが、この世界はリルア、白夜、リヴェン等の神霊達の力を持っても複雑で難しい構成になっているようだ。彼女達の力でも滅ぼせない、寧ろ劣勢の状況に立たされている隣の大陸、未だ知られていない世界の果てと真実。それらを先に知って目標を明確にした方が、コルホスΣとしても良いかもしれない。

アルカディアはその質問に普段には似合わない素っ頓狂な表情をしたものの、直ぐに何時も通りの真剣な眼差しを向けてこう返した。

 

「我等の目的は、全ての神霊を討ち倒す事」

 

力強く言ってる訳ではないのに、その言葉はかなり重く聞こえた。

「全知のリルア、戦女神白夜、破壊神リヴェン、創造神ウアス、それら列挙される巨大な力を持つ神霊達を全て、総て、一柱も残さずに滅ぼす事」

「それは、」

同じ同志の破滅すらも厭わないという事か、と続けようとした介渡だが、アルカディアは小さな声でそれを制する。

「言いませんでした? 神霊は試練である。人類に討ち倒され越えられる事が使命である、と。神霊は所詮完全に滅ぼされる事を運命付けられているのですよ。無論、私も、彼女も」

視線がエレナに。エレナは華奢な手を胸の上に置き、自分の運命がどうであるかを自覚しているように介渡に訴えた。

「賢神と謳われた私。戦女神の一柱に数えられたエレナ。私達も何時か人間に滅ぼされる日が来ると思うと、愛した人達に殺される事に胸が痛いですが、運命を全う出来る事にまた気分が高揚します。だけど、これは如何に4000年生きた熟練の兵士でさえ耐えがたき所業」

「その運命を知らずに神霊となった者は、それに抗おうと暴走する。その運命を知った上で抗おうとする者は、逆説を導き出して神霊を存続させようとした。前者が魑魅魍魎共、後者は俗に『アジ=ダカーハ』と呼ばれる龍」

「だから、八十島 介渡殿。貴方に警告します」

 

「神霊になれるようになったからと言って成ろうとは思わないで。神霊にさせようとする言葉を聞かないで。貴方がこれに発狂するとは思わない。新しく滅びの運命を持った命を、私はつくりたくない。友人の貴方を、滅びの運命を歩んでほしくない」

 

こうして今回の教授は終了した。アルカディアは「コルホスΣの戦闘参加の件は、よく悩んでいただきたい。もし参加を決定したら報告を下さい、レイ大陸と敵の兵器等を通達します」と残して、エレナと会話をしながら退出した。

神霊達は、滅ぼされる。何時の日か、人間の力と知恵によって。ならば、悪魔や妖怪といった別の知的生命はどうなるのか。一度神霊になった私は? 眷族の申し入れを受けようとしているヴァルドはどうなるんだ?

だが、今はそれは頭の隅に置いておかなくてはならない。まず、コルホスΣの皆にこれについて相談しなくては。

介渡はそう思いながら、エレベーターに乗り込んだ。